21歳の馬場咲希は米国ツアー1年目でシードを獲得。身長176センチという恵まれた体格で、平均飛距離260ヤードを超える逸材だ。アマチュア時代には全米女子アマで優勝している。そんな馬場咲希のセッティングをクラブフィッターの吉川仁氏に解説してもらった。
◇ ◇ ◇
米国ツアー1年目は『B3 MAX』という『B』シリーズで最も寛容性の高いドライバーを使っていたが、2年目の今年は『BX1 LS』というロースピン系にスイッチ。その狙いはどこにあるのか?
「馬場選手はオフシーズンのトレーニングによってヘッドスピードが上がったそうです。その結果、『B3 MAX』だと打球が上がり過ぎてしまうようになった。スピンを抑えられる『BX1 LS』の方が前に飛ぶ弾道になったのでしょう」
『B3 MAX』に比べると、『BX1 LS』は曲がり幅が大きくなってしまいそうだが…。
「たしかに慣性モーメントを比較すると『BX1 LS』の方が小さいので、ミスヒットにはシビアです。ただし、スピン量が少ない『BX1 LS』は高く上がって、キャリーが出るタイプのドライバーではありません。ミスしたときに着弾も早いので、曲がったとしてもOBまで行かず、コロがってバンカーやラフで止まってくれる可能性が高いです」
ドライバーは最新モデルにスイッチしたが、フェアウェイウッドは2016年発売の『ツアーB XD F』を使っている。
「理屈ではなくて、本人の感覚的に替えがきかないクラブなのでしょう。プロゴルファーにはそういうクラブがあって、昔からフェアウェイウッドやユーティリティを替えられれない選手が多いです」
日本人選手のなかでトップクラスのヘッドスピードを持つ馬場はフェアウェイウッドのシャフトが『ベンタス ブラック5S』、ユーティリティを『TRハイブリッド』にしている。
「どちらのシャフトもかなり硬くてハードなシャフトです。女子ツアーでここまで硬いシャフトを選んでいる選手は少ない。『ベンタス ブラック』が硬いのは有名ですが、『TRハイブリッド』もユーティリティ用のシャフトとしては相当硬い。現在は廃盤になっています」
一方、アイアンでは『N.S.PROモーダス3 ツアー105 S』にしています。
「フェアウェイウッドに『ベンタス ブラック』を入れている点を考えると、アイアンに『モーダス115』を選んでいても不思議ではありませんが、『モーダス105』とやや軽めにしています。一般的なヘッドスピードの女子プロなら、ドライバーが柔らかめの50g台のシャフトだと、アイアンで80g台のスチールを選ぶケースも多い。女子プロ全体の傾向としてアイアンは少し軽めにしています」
アイアンを軽くする理由は?
「男子プロだと豪快にターフをとるくらい強く打ち込んだりしますが、女子プロはさらっと軽く打ちながらいつも同じ距離を打ちたいという選手が多いからです」
パターは今季のPGAツアー、LPGAツアーで大活躍している『スパイダー』シリーズ。ただし、馬場が使っているのは2019年発売の『スパイダーX チョークホワイト』という年代モノ。マキロイやシェフラーが使っているシリーズとは少し違うが、マレット型としては操作性が高いのが特徴だ。
フェアウェイウッドやパターは意外と古いモデルを使い、ドライバーを1年で真逆のタイプにスイッチする馬場。常識にとらわれない異次元の可能性を感じるセッティングだ。
▼ 馬場咲希のセッティング
1W:ブリヂストン BX1 LS(9度/ディアマナWB 50 S)
3・5W:ブリヂストン ツアーB XD-F(15・18度/ベンタスブラック50 S)
4U:ブリヂストン B2HT(22度/TRハイブリッド 85 S)
5I~P:ブリヂストン 241CB (N.S.PROモーダス3 ツアー105 S)
50、54、58度:ブリヂストン BITING SPIN (N.S.PROモーダス3 ツアー105 S)
PT:テーラーメイド スパイダーX SX-32チョークホワイト(グリップ中尺)
Ball:ブリヂストン ツアーB X
■解説::吉川 仁
よしかわ・じん/「4plus Fitting Labo & Golf Salon」主宰。スイングとギアの両面に精通し、「ギアーズ」や「トラックマン」を駆使して、悩めるゴルファーのギア選びをサポートする。
◇ ◇ ◇
最新ドライバーがたくさん出すぎてどれを選べばいいか悩む! そんな人は関連記事『 最新ドライバーは【ストレート】【セミアーク】【アーク】の3つの開閉度合で選べ!』で悩みを解決
