ユーティリティ巧者・片山晋呉“ドライバーを抜く戦略”の内幕
text by kazuhiro koyama
配信日時: 2016年10月20日 07時30分
卓越したユーティリティの精度がなければ困難なミッション
ただスプーンでのティショットが成功しても、パー4ではより長い距離のセカンドショットが残ってしまう。この点もゲームが不利になりかねない要素だ。仮に200ヤード前後の距離が残ったとしたら、多くの男子プロはロングアイアンで高い球を打って、硬くて小さいグリーンにボールを止めなくてはならない。
その点、片山は、2000年代はショートウッド、2010年代からはユーティリティを複数本入れて、こうした長い距離を巧みに攻略してきた。片山自身が「200ヤード残っても苦にならない」と語るように、ロングアイアンよりも格段にボールが上げやすいユーティリティで、高い弾道を打ちグリーンをとらえていた。
さらにドロー、時にはフェードと球筋を使い分け、その状況で最適な弾道を打ち分ける。ロングアイアンでこれほど多彩にボールを操れるプロは、日本ツアーには存在しないだろう。このユーティリティでのロングショットの精度が、片山のドライバーを抜く戦略を成立させている。
今回の『日本オープン』では、2008年で優勝した際にも使用していた、2004年発売のナイキのユーティリティ『T-100』をバッグに入れ、ティショットでも使用していた。ソールに100gものタングステンウェイトを備えた、当時としては、類を見ない低重心設計だったモデルだ。
ドライバーを抜く戦略だけでなく、自身の生命線であるユーティリティでも、前日までセッティングをつめていた。8年ぶりにバッグに入れたというこのクラブは、片山がいかに緻密に戦略を立てて、試合に望んでいるのかという証左になるだろう。
飛距離があればたしかに有利だ。距離の長い男子の試合であれば、なおさらだろう。しかし片山はショットの精度とアプローチの上手さ、加えてコース戦略とクラブセッティングを突き詰めて、優勝まで近づいた。ラフをものともしないパワーを持つ松山の戦いぶりと好対照だ。
43歳にして、第一線で活躍する片山のプレーを見ると、ゴルフが飛ばしだけではないことを教えられる。ドライバーを抜くのは無理でも、クラブ選びに参考になる点も多いのではないだろうか。
その点、片山は、2000年代はショートウッド、2010年代からはユーティリティを複数本入れて、こうした長い距離を巧みに攻略してきた。片山自身が「200ヤード残っても苦にならない」と語るように、ロングアイアンよりも格段にボールが上げやすいユーティリティで、高い弾道を打ちグリーンをとらえていた。
さらにドロー、時にはフェードと球筋を使い分け、その状況で最適な弾道を打ち分ける。ロングアイアンでこれほど多彩にボールを操れるプロは、日本ツアーには存在しないだろう。このユーティリティでのロングショットの精度が、片山のドライバーを抜く戦略を成立させている。
今回の『日本オープン』では、2008年で優勝した際にも使用していた、2004年発売のナイキのユーティリティ『T-100』をバッグに入れ、ティショットでも使用していた。ソールに100gものタングステンウェイトを備えた、当時としては、類を見ない低重心設計だったモデルだ。
ドライバーを抜く戦略だけでなく、自身の生命線であるユーティリティでも、前日までセッティングをつめていた。8年ぶりにバッグに入れたというこのクラブは、片山がいかに緻密に戦略を立てて、試合に望んでいるのかという証左になるだろう。
飛距離があればたしかに有利だ。距離の長い男子の試合であれば、なおさらだろう。しかし片山はショットの精度とアプローチの上手さ、加えてコース戦略とクラブセッティングを突き詰めて、優勝まで近づいた。ラフをものともしないパワーを持つ松山の戦いぶりと好対照だ。
43歳にして、第一線で活躍する片山のプレーを見ると、ゴルフが飛ばしだけではないことを教えられる。ドライバーを抜くのは無理でも、クラブ選びに参考になる点も多いのではないだろうか。