ティーチングプロの畔上悠介は、ヘッドスピード44m/sと決して飛ばし屋ではない。「飛ばないからこそ曲げないことが大事だし、アプローチの重要性は言うまでもありません」。そして、技術だけでなく「ギアの恩恵」でゴルファーの実力を引き出すことにも自負を持っている。
レッスン活動の傍ら4plus fitting laboでフィッターも務める彼は「アマチュアの方の気持ちは痛いほど解る」タイプ。元々52度に『MG3』ウェッジを選んでおり「58度は買い替えも検討中」とのことで、テーラーメイドの最新作『MG5チャコールブラック』ウェッジを、コースで試してもらうことにした。
「エグいスピン」の止まり方に焦る…
まずドライ状態の95ヤード前後から52度でライン出しした瞬間、畔上プロが驚く。「えっ、低~ッ! 打った瞬間は一瞬『トップなの!?』と焦るくらい、目線より低く出ました。でもそこからが凄い。バウンドしてから、強烈なスピンが効いてキュキュッと止まる。自分のイメージの1.5倍は低いです」。
トラックマン計測のスピン量は9254rpmで、打ち出し角は20.4度。使い込んだ『MG3』ウェッジの52度は31度前後で、打ち出しが10度も低くなった。58度に持ち替え、85ヤードのフルショットは10000回転を越え幾分高く上がったが、50ヤード弱の抑えたショット、25ヤード前後でも同様にマイクラブより低くなる結果に「乗り方がすごすぎますね」と唸る畔上プロ。
「乗り感は10点満点中、11点です」と笑顔の畔上プロ。新テクノロジー「スピントレッドデザイン」がボールを噛んだ証拠は、ウレタンカバーが“溝以外”にも引っ付いた、広範囲の白い打痕に現れていた。「黒いフェースだから余計に分かる」と頷く。
「自分のエースウェッジは噛んだ部分のカバーだけ削れましたが、『MG5チャコールブラック』ウェッジはボール全体が引っ付く感じ。全然フェースの上を滑らず、長く噛む “接着感”がエグいです。球離れが遅く、ハンドファーストで押し込んでもスピンが解けず“低く”目線レベルに抑えられるから、手でボールを投げる時のように、距離感が自然と良くなりますよね」
ウェットで「こんなに低く止まるとは…」
続いて、同じピンまで25ヤード前後から、朝露や雨天時を想定して、ボールとフェースを濡らして計測。通常、水膜で滑ってスピンが解けやすい状況だが、畔上プロの反応はさらに熱を帯びた。
「ボクは打ち込むタイプなので、フェースとボールを2重で濡らすと余計に上がりやすくなりますが、『MG5チャコールブラック』ウェッジは低く乗る。上にすっぽ抜ける感じが少ないので、『MG5』に慣れてしまうと自分のクラブが滑っている感じになってしまう…」
進化したノーメッキのRAWフェースがしっかり食いつき、「悪条件下こそ差が出る」という、スピントレッドデザインの水分排出性も実感していた。そして、畔上プロが「ボクには絶対必要」と力説したのが黒ヘッドによる集中力の向上だ。
黒いと集中できて打感もソフトに感じる
「ボク、実は虹彩の色が元々薄くて反射光に弱いのですが、シルバー(サテン仕上げ)だと光が反射して角度によっては眩しくて無意識に顔が浮いたり体が起きたりするんです。でも、『MG5チャコールブラック』ウェッジは反射が一切ないので、インパクトまでボールを凝視できる。この『全集中できる』安心感は大きいですね。
気のせいかもしれませんが、黒いフェースの方が球乗りよく、打感までソフトに感じますね。それに、ボクの『MG3』ウェッジより、『MG5チャコールブラック』ウェッジだと錆びた時でも自然になじむ感じになるはず」
黒色がヘッドを小ぶりに見せる点も、「ターゲットに対してよりシビアに、小細工なしで構えられる」とフィッター目線でも太鼓判を押す。サングラス派の畔上プロはもちろん、サングラスをかけない派の人にも「チャコールブラックはより集中しやすいはず」と薦めていた。
6種ソールがあるけど「SB」の出来が◎
また、『MG5』ウェッジで展開している全5種類のグラインドとTWモデル1種類の計6種類をテストした畔上プロ。最終的に「マイベスト」に選んだのは、チャコールブラックにも採用の『SB(スタンダードバウンス)』だった。「スタンダードなのに十分に汎用性がある」と話し、畔上プロのマイクラブともかなり似たソール形状だった。
「サテンの通常品だと5種類から選べるため、どうしてもスタンダード以外や『TW(タイガー・ウッズ仕様)』などのグラインドに魅力を感じがちです。でも、このSBはまさに『オールラウンドな優等生』。それに何と言っても、直近でマスターズ連覇のローリー・マキロイ選手が60度(LB)以外の3本全部が『SB』ですからね。
ベアグラウンドに近い、絶望的に難しいライでも思い通りに抜けたし、バンス10度は何でもできますよ。テーラーメイドの場合、迷ったらSBというか、迷いなくSBです。日本のコースならどんな状況でも全く問題ありません」
地クラブも真っ青な「所有感」と完成度
目の肥えたゴルファーが集まる人気ショップで働く畔上プロだからこそ、デザインの「裏の顔」にも注目する。
「このブラックの質感と無骨なバックフェースは、地クラブ好きの方にもけっこう刺さると思います。『テーラーメイド』という世界トップの信頼性に、この尖ったカッコよさが加われば所有感は最高レベル。形状も懐に安心感があって、スピン性能も担保されている。非の打ち所がないですよね」
球乗りが良いと、練習が楽しくなる
「これだけスピンがかかる安心感があって、見た目にも集中できる。結果としてアプローチの精度が1ランク上がります。何より、球乗りがいいと、練習していてめちゃくちゃ『楽しい』。アプローチ練習って後回しにしがちですが、コレなら“もっと練習したい”と思わせてくれますね」
畔上プロが実感した、ギアによる「球乗りの良さ+集中力アップ」の恩恵。スコアアップを切望し、見た目にも一切妥協したくない欲張りな中級者にとって、この『MG5チャコールブラック』ウェッジは最高の相棒になるに違いない。
◎取材協力・GMG八王子ゴルフ場
◎撮影・山代厚男、GettyImages