ゴルフの祭典・第90回「マスターズ」は、ローリー・マキロイによる4人目の連覇という、歴史的な偉業で幕を閉じた。最初のメジャー“シーズンオープナー”を終えたということは、我々アマチュアにとって本格シーズン到来を意味する。
今年の開幕から絶好調のテーラーメイド『Qi4D』シリーズと『TP5』シリーズについて、なぜ世界中のツアーでこんなに活躍するのか? について、選手の証言を基に深堀りしていきたい。まずは、ローリー・マキロイのここ3シーズンのスタッツ推移を見てほしい。
新『TP5』と『Qi4D』ドライバーでスピードと安定性を両立
マキロイは昨年頭から『TP5』の前作に替えたが、新しい『TP5』でのティショットを「より安定したスピンで打ち出しも低めに出て、センターを外したショットでも耐えてくれる」と、スタッツ通りの感想を話している。そして『TP5』に替えてからの一年で、抑えたショットが上達したことも連覇に大いに役立った。
「ボール変更でハーフショットやスリークォーターショットの機会が増えた。ウェッジのフルショットだとグリーンからまっすぐスピンバックで外れてしまうので仕方なかった。そのうち、ハーフやスリークォーターショットに慣れてきて、徐々にクラブ選び全体に影響するようになった。その手のショットは6番アイアンまで打てるようになった。これはこのボールを使い始めてから身についた技術なんだ」(マキロイ)
驚きはウェッジのスピン量が増えたのに、1Wではスピン量を落としたこと。これはロフト9.0度の『Qi4D』ドライバーを8.0度に可変し、フロント4g×4g・バック11g×11gに調整することで、分散を減らしつつ低スピンな結果を手にしたから。マキロイ自身、今回の連覇に最も重要だったショットの一つに「最終日の13番のティショット」を挙げ、350yd飛ばしたシーンを振り返っている。
次は、同週で行われた男子ツアーの国内初戦「東建ホームメイトカップ」で、初優勝をはたした石坂友宏のケースを見てみよう。この週の練習日に石坂に詳しく聞くと、毎年『LS(ロースピンモデル)』を選んできたが、今年はコアモデルの『Qi4D』ドライバーにした理由をこう話していた。
石坂友宏「コアだからやさしく逃がせる」
「最初『Qi4D LS』ドライバーを試してスピン量が少なすぎて、コア(Qi4D)を打つとデータが良かったんです。スピン量とボール初速が変わらないので決めました。『Qi4D LS』ドライバーは『やさしくつかまる』のに対してコアは【やさしく逃がせる】イメージ。トータル的にコアの方がイメージ通りに打てるというか。ちょっと左を向いて、ちょっと逃がせるのも打てるので、ボクはそっちの方がいいなって」(石坂)
「まず曲げないこと」が信条の石坂は、奇しくもFWキープ率の“鬼”、稲森佑貴とのプレーオフを制した。「自分は全然飛ばし屋じゃないので、イメージした通りに毎回打てるのが武器じゃないですか」。練習日の時点でそう自らに言い聞かせるように話した結果、『Qi4D』ドライバーで待望の勝利を手にした。ボールも最新の『TP5x』を選んでいる。
「テストと同時に投入したくらい、正直かなり好きです。打感はしっかりめが好みなのでずっと『TP5x』の方。重視するのはグリーン周りで、外したときのアプローチが、ラフから打ってもフェアウェイから打っても、打感がしっかり残っている方が『乗ってる感』を感じるので。『重い感じ』が好きというか、『ミルドグラインド』のウェッジにやっぱり合うと思いますね」(石坂)
と、ここまでコアの『Qi4D』ドライバー優勢かと思いきや、国内女子ツアーでは稲見萌寧を筆頭に、契約外で『Qi4D LS』ドライバーの選手(永峰咲希・永井花奈・Pサイパン)が続出。直近でなんと7人が『Qi4D LS』ドライバーを選び、6人が『Qi4D』ドライバーと「1Wモデル別使用率」の1、2位になっていた。『Qi4D LS』ドライバーを選んで、去年の同時期よりも10.57ヤードも伸ばした山路晶は実感をこう話す。
山路晶「Qi4D LSはハード過ぎない」
「元々コアを試していましたが、『Qi4D LS』ドライバーにしてみたら打感も音も、そしてシュッとした小ぶりな顔も自分にぴったりで、めちゃくちゃ良くなりました。『LS(ロースピン)』といってもハードすぎる感じはなくロフトを10.5度に調整したことで球もしっかり上がってくれます。『VENTUS TR』の50g台(実際は61g程度)の重量感がちょうど良くてしっかり振れるようになり、初速も飛距離も数字として如実に変わりました。スピン量を抑えてコントロールしたかったので、この組み合わせがベスト。
私は昔から操作性の良い小さめのヘッドが好きで、今回のモデルはクラウンの空気抵抗が変わったせいか、さらに振り抜きやすくなりました。ボールに関しても『TP5x』の初速が速く感じて、そこが一番の違いだと思います。球が強くなったのと打感もすごくよくてイメージがいいです。ボールは打感が大事で、ドライバーは顔もめっちゃ大事だけど、打感と振った感じですかね」(山路)
国内女子ツアーのレップによれば、山路の『Qi4D LS』ドライバーはフロント13g・バック5gに設定した「飛距離を重視したセッティング」とのこと。
そして、「試合によってウェイトを色々と調整する」というのが、泉田琴菜だ。『Qi4D』の4つのウェイトのうち、フロントのヒール側5gで、残り3つが4gというのが基本。「ウェイトの配分がすごく幅広くなりました。コアの中で自分に合ったものがウェイトで見つけられます。クラブを替えなくてもウェイトだけで球筋が変わってくれるので、1年戦う上ですごい強み」と泉田。
泉田琴菜「ヒールでもトウでも距離が落ちない」
「開幕戦から『Qi4D』ドライバーで一番は顔と座りですね。ここが安定しないと打ちにくいけど、それが一番しっくりきて、テーラーメイドの良さのシュッとした感じもありつつ、後ろも長さ・広さがあるので座りがいいので安心感があります。トラックマンでデータを取ると、ヒールでも先でもそこまで距離が変わらないのが強み。ミス許容が広く、当たりが薄いなと思っても、比較的同じ距離を飛んでくれます。
どんなアマチュアの方にも合うと思いますよ。重量配分がこれだけ使えて、コアはウェイトが4つもあるので。球が高かったら前重心に変えて低くできるし、逆に低い人なら後ろの配分を重くすれば、クラブを替えずに重量配分だけで球筋が変わる。アマチュアの方は毎日ゴルフをするわけではないから、その日の調子によって変えられるのは強み。コースによって球が低い方がいいと思えば前の方に持っていったり、林間コースみたいに高い球も打ち分けたい時は、今年はコースに合わせて替えられます」(泉田)
また、本題の『Qi4D』ドライバーと『TP5』ボールという、マキロイと同じ組み合わせを使い続けて「実感している利点や相性」についてもこう分析する。
「『Qi4D』ドライバーは『TP5』ボールとの相性も非常に良くて、今まで不足しがちだったスピン量がちょうど良く出てくれるようになりました。そのおかげでドライバーの飛距離が落ちることなく、アイアンでも理想的な数値が出ています。それに(マイクロコーティングされたTP5の影響か)風の強い日でも流されにくい。私はフェード打ちなので左を怖がって右に抜けるミスをしがちですが、新しい組み合わせのおかげで、ミスしてもOBまで流されずラフで止まってくれる安心感もあって、実戦ではすごく大きいです」(泉田)
自身の弱点を、『Qi4D』ドライバーと『TP5』ボールを組み合わせることで補えるという泉田。間もなくベストシーズンが到来するが、好調選手でもウェイト調整ができ、弱点を補正できる“転ばぬ先の1Wとボール”を賢く選んでいる。我々も見習ってベストスコアに繋げたい。