昨年は「AIG全英女子オープン」で海外メジャー優勝を果たした山下美夢有。米国ツアー2年目も7試合中4試合でトップ10入りと好調をキープしている。そんな山下のセッティングをクラブフィッターの吉川仁氏に解説してもらった。
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山下美夢有は日本ツアー時代のプロ1年目からセッティングの番手構成はほとんど変えていない。ドライバー、3W、5W、4U、5Uというウッド5本と、6番からPWまでのアイアンセット、そして3本のウェッジ、パターという組み合わせだ。
しかし今年は、ロフト21度の7番ウッド『スリクソン ZXi』をテストしている様子も。その理由はどこにあるのか?
「おそらくグリーンを狙ったときに高さを出したいという狙いがあると思います。7番ウッドと4番UTのロフトはほとんど同じですが、7番ウッドの方が長くて重心が深いので高さを出せます。だから自分の技術でしっかりフェースターンできるなら7番ウッドの方がやさしく感じるでしょう。おそらく、試合によって使い分けているのだろうと思います」
アマチュアも4Uより7Wの方がやさしいのか?
「それは一概には言えません。7番ウッドの標準的な長さは約41.5〜42インチ、4番ユーティリティは約40インチ。ユーティリティの方が短くて打ちやすいという人もいます。ただし、中・上級者でフェースをしっかり返せるタイプだと4番ユーティリティはつかまり過ぎることがありますね」
昨年の前半は『スリクソンZXi LS』を使っていた時期もあったが、シーズン途中から『スリクソン ZXi』にスイッチ。今年も引き続き同モデルを使っている。
「ドライバーも弾道を高くしたいという意図があるのでしょう。ただし、『ZXi LS』の振り感は気に入っていたのだと思います。『ZXi』でもソールの前方に鉛を貼って重心を浅くしています。ドライバーの変更や7番ウッドをテストしている所を見ると、1シーズン戦うために“やさしさ”を求めているように思えますね」
アイアンセットは昨年から変わっていないが、吉川が気になったのは『DG85』のシャフトだった。
「アイアンとドライバーのシャフトはまったく違うタイプを選んでいます。ドライバーの『スピーダーNXグリーン』は手元がしっかりしていて、中間から先が走るタイプ。一方、アイアンの『DG85』は手元がしなる粘り系で、先端側がしっかりしています。飛ばしたいドライバーと止めたいアイアンで明らかに特性を分けています」
そして注目はパター。昨年のエースパターは「スパイダーツアーX」だったが、今年の練習日にはオデッセイのゼロトルク系「スクエア2 スクエア TRI-HOT ジェイルバード」を試していた。山下はパターをよく変える選手。日本ツアーで年間女王になった2023年も1年間で5本のパターを使っていた。
「今までもマレット型のパターを好んで使っていましたから、フェースを開閉したくないタイプ。フェースを開閉しないなら『ゼロトルク』との相性は悪くないはずです。それと、ゼロトルク系は狙ったラインに打ち出しやすいという利点もあります」
ドライバーを『LS』からノーマルモデルにして、7番ウッド、ゼロトルクのパターもテストしている山下。直近の「JMイーグルLA選手権」では、ドライバーのシャフトを三菱ケミカルの『ヴァンキッシュVV 3S』と30グラム台のシャフトを入れている姿もキャッチされた。より“やさしい”セッティングで今季初のメジャー戦「シェブロン選手権」でどんな活躍を見せるか楽しみだ。
▼山下美夢有のセッティング
1W:スリクソン ZXi(9度/スピーダーNXグリーン40SR→ヴァンキッシュVV 3S)
3・5W:スリクソン ZX Mk II(15・18度/スピーダーNXグリーン50SR)
7W:スリクソン ZXi (21度/スピーダーNXグリーン60SR)
4・5U:スリクソン ZX Mk II(22・25度/ベンタスブルー7S)
6I:スリクソン ZXi5(DG85 R300)
7I~PW:スリクソン ZXi7(DG85 R300)
48・52・58度:クリーブランド RTZ(DG95 R300)
PT:テーラーメイド スパイダーツアー X
PT:オデッセイ スクエア 2 スクエア TRI-HOT ジェイルバード
Ball:スリクソン Z-STAR XV
■解説::吉川 仁
よしかわ・じん/「4plus Fitting Labo & Golf Salon」主宰。スイングとギアの両面に精通し、「ギアーズ」や「トラックマン」を駆使して、悩めるゴルファーのギア選びをサポートする。
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