<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアーファイナル 最終日◇15日◇PGM総成ゴルフクラブ(千葉県)◇6493ヤード・パー72>
最終プロテストに合格し、マイナビ ネクストヒロインツアーでは今季1勝を挙げている青木香奈子は、最終戦優勝を惜しくも逃した。2打差をつけた単独首位でラスト9ホールに入るも、追い上げてきた平塚新夢が逆転。トータル2アンダー・3位タイでラストマッチを終えた。
優勝賞金500万円というビッグボーナスにフォーカスを当てて、「楽しむ」ことを意識した2日間だった。「500万円をとるゲームというか、いかにそのゲームを楽しむかと考えていました。納得いくプレーをできれば」。最後の最後まで優勝を争い、平塚に譲ることになったが、悔しさは表に見せず最後まで満面の笑顔で駆け抜けた。「ピン位置がすごく難しくてなかなかバーディが取れなかった。さすが新夢さん! という感じです」と勝者を称えた。
だが、ホールアウト後にまさかの悲劇が起こる。2バーディ・3ボギーの「73」を記入してスコアカードを提出したが、“自身の署名”を入れ忘れた。それによって2罰打が科されスコアは「75」に訂正。順位は単独2位から3位タイに後退し、思わぬ形の幕切れとなった。
「これから気をつけます…。日常生活もおっちょこちょいでやっちゃうんです。アテストではいつも気にかけながらやっていたけど、舞い上がってしまっていたのか、やってしまいました。気を引き締めます」と反省しきり。「来週はQTという大事な試合があるので必ず気をつけます」と誓った。
それでも年間ポイントランキングは逆転で女王を戴冠。今年からマイナビ ネクストヒロインツアーの門を叩いたルーキーは飛躍の1年を過ごした。「とても充実していました。ライバルのみんなと切磋琢磨しあえることが楽しかった1年でした」。昨年11月までフェニックスカントリークラブ(宮崎県)に勤めていたが、仕事を辞めて関東に拠点を移動。同ツアーを通して腕を磨き、プロテスト合格につなげた。大会関係者への感謝を何度も口にする。
ちなみに、今大会の賞金や特別賞によるボーナスについては、かねて“夢”と話すポルシェマカンの購入のために「貯金します」とニヤリ。最後まで笑顔を絶やさず走り抜けた青木香奈子は、ツアープロとしてマイナビ ネクストヒロインツアーから羽ばたいた。(文・笠井あかり)