<TOTOジャパンクラシック 最終日◇3日◇瀬田ゴルフコース 北コース(滋賀県)◇6616ヤード・パー72>
58位から出た渋野日向子は、3バーディ・1ボギーの「70」で回り、トータル3アンダーの47位タイで8月以来となった日本での試合を終えた。スタートホールの10番で「めちゃ長いのが入りました」と10メートルを沈める“おはようバーディ”で始まった最終日。優勝争いとは無縁の“裏街道”だったが、13番で残り52ヤードの3打目をベタピンに寄せると、18番も残り97ヤードの3打目をピン手前1メートルにつけバーディを奪うなど大勢のギャラリーを喜ばせた。
2週前に行われた韓国での「BMW選手権」は、体調不良により開幕前日に欠場を決めた。その日のうちに日本に帰国。先週までの2週間は岡山市内の実家で過ごし、「おばあちゃんに『笑顔でやりなよ』と言われてきました」と送り出され迎えた3週ぶりの復帰戦だった。
「気持ち的にズンとなっていた時もあったけど、ここで気合を入れないといけないと思っていた。内容的には全然かもしれないけど、心と体の状態は悪くなかった。ギャラリーさんの存在は本当にでかすぎます」
大会が始まる5日前にようやく練習を再開した。体調を考慮して、10ヤードほどの短い距離でのアプローチがメインだったが、「ぶん曲がっていたドライバーに比べて、グリーンを狙うショットはましだった。距離感もよかったし、アプローチ練習の効果があったのかも」とケガの功名ともいえる収穫もあった。いいショットでギャラリーを喜ばせ、見ている人の笑顔が見られている側の力と笑顔に変わる。“ウィン、ウィン”のラウンドに、気持ちも自然と前向きなっていた。
「すごく楽しかった。おばあちゃんに言われたことは、一週間できたかな。すごく気分はいいです。ゴルフは置いといて。今季も残り3試合。最終戦はまだ出られるかどうか分からないので、あと2試合、しっかり全力で頑張りたい」
次戦は米ツアーに主戦場を移した2022年に2位となったハワイでの「ロッテ選手権」。最終戦の「CMEグループ・ツアー選手権」の出場に当確ランプを点灯させるためにも、相性のいい大会で上位を狙っていく。(文・臼杵孝志)