<NTTドコモビジネスレディス 最終日◇3日◇浜野ゴルフクラブ(千葉県)◇6704ヤード・パー72>
「勝たなきゃはないですね。勝ちたい気持ちはあるけど。緊張している自分を受け入れて楽しんでやろうかなと思います」。自身初の最終日最終組を前に、こう口にしていた平塚新夢(あむ)。ツアー初優勝には手が届かなかったが、その言葉通り、笑顔でプレーする姿が印象的だった。
同組は菅沼菜々に天本ハルカ。前身大会で優勝経験を持つ2人だ。横断幕やタオルを掲げて応援するギャラリーが多く駆けつけるなか、平塚の顔写真のパネルを持ち込むファンの姿もあった。全身ブラックのコーデで身を包んだ運命の18ホール。序盤は、やや表情がこわばっているようにも見えた。
「(緊張は)思ったよりはしませんでしたが、少ししました」。スタートは2人がパー発進とするなか、ボギーが先行。それでも、ずるずると崩れることはなかった。2番でバウンスバックを決めると、その後はパーを並べ、持ち前の笑顔も戻ってきた。後半は12番で再びバーディ。慣れない最終組でのプレーながら、アンダーで回る可能性も十分に感じさせた。
迎えた最終18番パー3は、有終の美とはならなかった。ティショットはグリーンオーバー。奥からの下りのアプローチは絶妙なタッチで寄せたが、パーセーブはならず。最終日のスコアは「72」。それでも、平塚の表情は笑顔だった。
「ニコニコ楽しくやる」ことがモットー。初めての最終日最終組を、しっかりと楽しんでいた。ホールアウト後も肩の力の抜けた、いつも通りの笑顔を見せる。「『頑張ったな』という気持ちと、バーディパットが入りそうで入らなかった悔しさがあります」。ただ、第1ラウンドから「67」を並べ、トータル10アンダーの5位タイは自己最高位。「結果的に2日間5アンダーで回れて自信になりました」と振り返った。
「やっぱりあんなに伸ばせないと優勝できないんだなという現実を学びました」
もちろん優勝は狙っていた。それでも、優勝争いを経験し、その中で自分がどんなプレーをするのかを知れたことには、大きな意味がある。初の最終日最終組でスコアを落とさなかったのは、十分に善戦と言える。ただ、優勝した同学年の菅沼は「66」で回り、トータル18アンダーまで伸ばした。収穫とともに、今の自分に足りないものも明確になった。
ギャラリーの声援にバーディで応える菅沼の姿を見て、「声援が糧になっているんだなと感じましたし、『見習わないと』と思いました」とも話した。
次週の今季メジャー初戦「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」は現地ウェイティング。5月21日開幕の「ブリヂストンレディス」には推薦で出場が決まっている。
数少ないレギュラーツアー出場の機会でトップ5入りを果たし、リランキングは84位から13位に浮上。「第一歩という感じ」と、6月の「ニチレイレディス」終了後に行われる第1回リランキング突破へ。この経験は、確実に次につながるはずだ。(文・齊藤啓介)
