<ホンダLPGAタイランド 最終日◇26日◇サイアムCC パタヤオールドC(タイ)◇6576ヤード・パー72>
「むっちゃ楽しかったです! 話しかけてくれて、私もリラックスしてできました」。自身2度目の米国女子ツアーを戦ったアマチュアの馬場咲希(代々木高2年)は、渋野日向子、笹生優花と回った一日を振り返り笑顔いっぱい。「マネジメントもやっぱりチャンピオンだなという攻め方。気持ちの切り替え方もうまいですし、あとは優しかったです」と感激の18ホールになった。
日本ツアーから世界に飛び出した先輩2人。しかも全英、全米を制したメジャー覇者とラウンドできることを前日に知った時は、「(練習)グリーンの上で見た時に、ビックリしました」と一気にテンションが上がった。「渋野さんは面白くて、優しくて、その存在だけで場を和ませてくれる。笹生さんもめっちゃ面白い。キャディさんを交えて会話したりして、すごく楽しかったです」。大ギャラリーの歓声、拍手のなかでも聞こえる笑い声が、そのなによりの証拠だ。
ただその2人を前にしても、プレーはノビノビしたもの。平均270ヤードを飛ばすドライバーは米屈指の飛ばし屋・笹生も「すごい飛ぶ」と驚いたほどだ。さらにアプローチも光る。ティショットを右に曲げ、目の前の木を避けるために低く打ち出した2打目が左ラフに止まった3番パー4では、その後の3打目を“お先”の位置までピタリと寄せてパーセーブ。このような技を何度も見せつけた。「アプローチでけっこう(パーを)拾うこともできた。もっとうまくなりたいけど、できてよかったです」。この舞台でも通用したことを聞かれた時、こうやって答えたのもうなずける。
馬場のキャディバッグには、あだ名の『てばさき』にちなみ、手羽先のキーホルダーがつけられている。それを見た渋野、笹生が大盛り上がりするシーンも見られた。「つけててよかった(笑)。『手羽先のキーホルダーだ』って笑われて。それがリアルとか、どうやって食べるのが好きとか、そんな話をしました」。こんな雰囲気がずっと続いた。
「きょうはショットもパットもすべてうまくいかなかった」と、ゴルフ自体の出来は、必ずしも納得がいくものではなかった。ただトータル9アンダーの34位タイで終わり、悔しさも残るが、「すごく楽しかったのでオッケーです」と最後はニコリ。思い出に残る一日を胸に17歳は日本に戻って、次は3月17日から始まる「Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント」(鹿児島県・鹿児島高牧カントリークラブ)に出場する。
もともと海外志向も強いが、「(また)めちゃくちゃ出たいです!」とさらにその思いを強めた4日間。「海外のコースはすごく難しい。アプローチ技術とか勉強になったところもあった。練習してこれからの試合でできるようにしたいですね」。先輩から教わったことが、目標にする「迫力のある選手」に近づけてくれそうだ。(文・間宮輝憲)