<前澤杯 最終日◇26日◇MZ GOLF CLUB(千葉県)◇6652ヤード・パー72>
今季、QT15位の資格で戦っているツアー通算2勝の36歳・藤本佳則が、2019年の「東建ホームメイトカップ」(8位タイ)以来となる7年ぶりのトップ10入りを果たした。
首位に4打差の9位タイで迎えた最終日。アウトからスタートすると、2番でバーディが先行した。5番パー4ではティショットをグリーン手前の池に入れながらも3オン1パットでパーを拾うと、8番パー5では2打目を約6メートルにつけてイーグルを奪取した。ボギーなしの1イーグル・4バーディで「66」。トータル20アンダーの3位タイで大会を終えた。
伸ばし合いの展開となった4日間。「どれだけスコアが出るか。ハマったら本当にハマると思うけどピンポジがすごい難しかったので、そういう意味ではあまり無理せずにやっていた感じはありました」と振り返る。
スタッツも安定感を裏付ける。フェアウェイキープ率は71.429%(32位)ながら、硬く傾斜の強いグリーンに対してパーオン率は86.111%(2位タイ)。さらにパーキープ率95.833%(3位タイ)とショートゲームも光り、平均ストロークは69.091(3位タイ)と高水準を記録した。
「4日間ずっと、なんとなくいいゴルフができたのは久しぶりだったし、どこか 1日はしんどい日がありましたけど…」。そう語る背景には、信頼する相棒の存在がある。今週キャディを務めたのは、東北福祉大時代の後輩でツアー未勝利の34歳・皆本祐介。普段からともに練習やラウンドを重ねる間柄で、試合期間中も皆本の練習に付き添っており、後輩思いの一面も見せていた。
「いつもキャディをしてくれている皆本くんと一緒に練習していますし、ラウンドもしているので。そういう意味で力が抜けたんかな。いい意味でね。そういうのがあるんじゃないかな」。ラウンド中も笑顔で会話を交わす姿が多く見られ、皆本の存在も自然体のプレーにつながった要因の一つだ。
藤本は2011年11月にプロ転向し、ルーキーイヤーの12年には「日本ゴルフツアー選手権」で優勝するなど賞金ランキング5位に入った実力者。19年までシードを維持してきたが、20-21年シーズンには賞金0円という苦境も経験した。シード復活を狙う今季、序盤戦での好結果は大きな意味を持つ。
それでも現状に満足はない。「まだまだ自分が求めているものと少し差があるので。ショットに関しても、スイングにしても。でも、こんな感じでここまでできるのはすごくいい材料ですし、もうちょっと練習が必要かなと思っています」。ラウンド中も、待ち時間を使ってスイングの動きを確認するなど、向上への意識は高い。
2019年以来のトップ10入りと伝えられると、「そんなに? もっと褒めて(笑)」と報道陣を和ませた。そして今回の結果については「心の栄養剤ですよ」と笑顔を見せる。「だけど来週も出られないので、だけど、 1回でもこういうゴルフができるのってすごい自信になるので、良かったと思います」。順位以上に意味のある結果だ。
今季3試合を終え獲得ポイントは263.06ptで6位。次戦は5月14日開幕の「関西オープン」に出場する。シード復活へ向け、確かな一歩を刻んだ。(文・高木彩音)
