ALBA Net  ゴルフ
ALBA Net  ゴルフ

注目!
ツアー情報

フェアウェイウッドはスチール、アイアンはカーボン 池村寛世が貫く“異端”セッティング【春のクラブチェック】

オフシーズンの試行錯誤を経て、クラブセッティングに変化が見られる選手も少なくない。そこで、選手達がこだわり抜いた14本をチェックしよう。

所属 ALBA Net編集部
齊藤 啓介 / Keisuke Saito

配信日時:2025年5月9日 12時30分

オフシーズンを通して試行錯誤を重ねた結果、クラブセッティングに変化が見られる選手も多い。かつてはドライバー1本のみ、昨年の開幕戦ではウェッジ5本体制という“奇策”を披露した池村寛世。今年も様々な変更を加えた14本をバッグに詰め込んできた。

【写真】池村寛世のセッティングを大公開

“直ドラ”の名手として知られる池村は、かつてキャディバッグにフェアウェイウッドを入れず、ドライバー1本のみでプレーしていた。その下は、2番のアイアン型ユーティリティをよく使用。3番ウッドの距離は直ドラでカバーしていた。ティショットで距離を抑えたいときや、左に行かせたくない場面でも、ティアップせずにドライバーで打っていた。

しかし、近年はフェアウェイウッドを数本入れるなど、セッティングは大きく変化している。今年は、1番ウッド、3番ウッド、7番ウッド、その下が5番アイアンという流れに落ち着いた。ウッドは、かつて契約していたテーラーメイド、昨年はキャロウェイを使用することが多かったが、開幕戦では地クラブメーカー、バルドの『GT2』を投入してきた。

ヘッド体積は460ccながらディープフェースで、いかにもロースピンな球が出そうな形状。同メーカーを使用する男子プロはツアーで見かけないが、なぜこのヘッドにたどり着いたのか。

実は池村の私物ではなく、コーチの櫻井省吾氏のもの。櫻井氏は池村のスイングを見て「カットスイング系なので。今のヘッドはシャローで重心が後ろだから開きやすい」と分析し、流行とは異なるディープ目なヘッドを提案した。「イメージした球が出てくれる」(池村)とヘッドとの相性は良く、さらに若干“被り気味”のフェースアングルも池村に安心感をもたらしている。当然、伝家の宝刀・直ドラも打ちやすくなる。

3番ウッドはキャロウェイの『PARADYM Ai SMOKE ♦♦♦ T』。こちらも小ぶりなディープフェースが特徴のモデル。7番ウッドは長らくテーラーメイドの『ステルス2』を使用しているが、注目すべきはともにスチールシャフトを装着している点だ。ドライバーとアイアンはカーボンシャフトだが、この2本だけが異なる。

昨年もこのスチールシャフトが入った7番ウッドはスタメン入りしており、最も自信を持って振れるクラブとなっている。その流れで3番ウッドも探していたが、「出玉が低く出てくれないとか、(フェースに)乗ってくれる感じが無い。じゃあスチールを入れるか」と考え、3番ウッドにもスチールシャフトを挿した。

ウッド2本だけスチールだが「全部を合わせるというより、1本ずつ打って良ければそのまま行く」と、池村にとってこの流れに違和感は無い。さらに、硬いシャフトが好みではない池村にとって、しなりを感じられるこのスチールシャフトは非常にフィットしているという。

一方、アイアンのシャフトは三菱の『ディアマナ Thump i105 S』で、こちらはカーボンシャフト。こちらも、しなりを感じたいという意図で選択しており「クラブが短い分、どうしても硬さを感じてしまうのでSにしている」とのこと。ただし、今後は重いシャフトに変更し、さらなる“しなり”を求めたいとも話す。

アイアンのヘッドには「打感が柔らかいのが好き」という理由から、キャロウェイ『X FORGED』のノーメッキ仕様を選択。ウェッジだけノーメッキにする選手は珍しくないが、アイアン全体をノーメッキにするケースはほとんど見られない。そのため、バッグに並ぶヘッドの存在感はひときわ目を引く。

シャフトの“しなり”に一貫してこだわる池村だが、かつてはグラファイトデザインの『ツアーAD クアトロテック』やフジクラの『ベンタス RED』など、先調子のシャフトを好んでいた。

しかし、櫻井コーチの指導のもと、「『先調子は合わない』っていうことで全部元調子になりました」と、一昨年の「ダンロップフェニックス」からセッティングにおける大改革を断行。スイングのタイミングはシャフトのしなりで取っていたが、元調子でもその感覚は変わらず、今ではこのセッティングになじんできているという。

最後に、パターは黒いヘッドに鮮やかな蛍光イエローの差し色が入ったテーラーメイドの『スパイダー ツアーX』。「黄色にしたら見やすいかも」と、アライメントの取りやすさを意識した結果、このカラーにカスタムをした。スコッティ・シェフラー(米国)も使用しているクランクネック仕様も注目すべき点だ。

ドライバー1本だったセッティングから、今ではウッド3本体制へ。シャフトの変更を含め、様々な工夫を重ねる池村。その背景には、理想の1本にたどり着くまでの柔軟な発想と探究心がうかがえる。(文・齊藤啓介)

【池村寛世のクラブセッティング】
1W:バルド GT2(ディアマナ プロトタイプ)
4W:キャロウェイ PARADYM Ai SMOKE ♦♦♦ T(14°/モーダスプロトタイプ TX)
7W:テーラーメイド ステルス2(18°/モーダスプロトタイプ TX)
5~PW:キャロウェイ X FORGED(ディアマナ Thump i105 S)
50、54、58°:キャロウェイ JAWS LAW(DG EX ツアーイシュー)
60°(61°):タイトリスト ウェッジワークス(DG EX ツアーイシュー)
PT:テーラーメイド スパイダー ツアーX
BALL:タイトリスト プロV1

関連記事

この大会のニュース

JGTOツアー 週間アクセスランキング


大会情報

  1. 国内男子
    終了
    2025年6月12日 6月15日
    ハナ銀行 インビテーショナル
  2. 国内女子
    終了
    2025年6月12日 6月15日
    宮里藍 サントリーレディス
  3. 米国男子
    終了
    2025年6月12日 6月15日
    全米オープン
  4. 米国女子
    終了
    2025年6月12日 6月15日
    マイヤーLPGAクラシック
  5. ステップ・アップ
    終了
  6. DPワールド
    速報中
    2025年6月12日 6月15日
    全米オープン
  7. PGAシニア
    終了
  8. アマチュア・その他
    終了
    2025年6月13日 6月15日
    グレート・レイク選手権

おすすめコンテンツ

関連サイト