優勝スコアが6オーバーだった1999年のカーヌスティは「難しすぎた」という批判もあり、2007年のカーヌスティはやや易しい設定になり、優勝スコアは7アンダーになった。そして今年、カーヌスティの全長は2007年大会より19ヤードも短縮された7402ヤード(パー71のまま)。だが、「天候が良くても難しい。悪天候なら最難関」と言われるカーヌスティなのだから、たとえ全長が短くなろうとも簡単になるはずはない。
先人たちによれば、カーヌスティは「最初の14ホールはとてもタフ。上がりの4ホールは極端に難しい」。だからこそ、前半にスコアを伸ばし、後半は忍耐に徹することがカーヌスティ攻略の常道だと彼らは言っている。確かに、バンデベルデもガルシアも後半に踏み留まることができず、プレーオフに持ち込まれて負けた。
だが、それはあくまで過去の2例に過ぎず、“常道”にこだわる必要はないのだと思う。なぜなら、リンクスランドの神様はとても気まぐれで、今年のカーヌスティの大地や風をどう操るかは蓋を開けてみるまでわからない。大切なのは、今年のカーヌスティを冷静に見極め、今年のカーヌスティと真正面から向き合って、1打でも少ないスコアで上がること。昨年大会の最終日。ロイヤル・バークデールの13番でジョーダン・スピース(米国)が“後方線上”の練習場まで下がってショットし、大ピンチをボギーで収め、14番からの快進撃で勝利したことが鮮明に思い出される。
昨年と今年。舞台は違えどリンクスはリンクス、全英オープンは全英オープン、そしてゴルフはゴルフだ。ネバーギブアップの精神とクリエイティブな発想、そして1打への執念こそが勝利への道。ドラマは、そこから生まれるはずだ。
文・舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)