<KKT杯バンテリンレディス 事前情報◇16日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6596ヤード・パー72>
今年で第33回を数える「KKT杯バンテリンレディス」には不思議な系譜がある。2021年の山下美夢有から昨年の佐久間朱莉まで、5年連続で初優勝者が誕生。これは同一大会での連続初優勝のツアー記録だ。
さらに山下は22、23年に年間女王に輝き、24年の竹田麗央、昨年の佐久間は初Vの勢いで、一気にその年の女王となった。また、山下、竹田と23年覇者の岩井明愛は現在米ツアーに主戦場を移し、昨年の海外メジャー「AIG女子オープン」を制した山下を筆頭に、3人ともすでに優勝を経験している。
熊本で初優勝→年間女王→米ツアーの流れは、ここ5年だけの話ではない。この大会は1992年に始まった第1回(当時は再春館レディース)から、11人がツアー初優勝を達成。2005年(当時ライフカードレディス)にはプロ2年目だった横峯さくらがデビューから10試合目、07年(同)には地元・熊本出身の上田桃子が初Vの感激に浸った。横峯は09年に、プロ3年目だった上田はその年に、賞金女王の座に就いた。そして、横峯は15年から21年まで、上田は08年から13年まで米ツアーを主戦場に戦った。
米ツアーという共通点でいえば、高校1年生だった14年に史上4人目のアマチュア優勝を達成した勝みなみもいるし、08年の「全米女子オープン」を大会史上最年少(当時)の19歳で制覇したパク・インビ(韓国)の日本ツアー初優勝も10年のこの大会(当時西陣レディス)だった。勝は23年から米ツアーに戦いの場を求め、パクは12、13年に米ツアーの賞金女王に輝き、13年には世界ランク1位の座にも就いている。
都道府県別では最多の157勝(1988年のツアー制度施行前を含む)を挙げている女子ゴルフ大国・熊本での奇跡のような偶然。2007年の上田から昨年の佐久間まで18シーズンで5人が年間女王となるなど、まさに熊本での“新鮮力”は日本を、世界を制する。
今年は誰がバトンを受け継ぐのか。昨年のプロテストに合格した藤本愛菜は「初優勝が多い大会だということは何となく知っています。流れに乗りたいなぁと思います」と気合をにじませた。先週にツアー自己ベストの5位に入った吉田鈴も虎視眈々と初タイトルを狙う一人だ。
世界への登竜門ともいえる火の国決戦。大会中の最高気温は夏日の25度を超える予報で、例年以上に熱くて、暑い3日間になりそうだ。(文・臼杵孝志)
【KKT杯バンテリンレディスで初優勝した選手】
1999:平尾南生子
2005:横峯さくら
2007:上田桃子
2010:パク・インビ
2014:勝みなみ
2015:菊地絵理香
2021:山下美夢有
2022:植竹希望
2023:岩井明愛
2024:竹田麗央
2025:佐久間朱莉
