<BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 2日日◇5日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(茨城県)◇予選=7431ヤード・パー70>
昨年の「日本オープン」覇者・片岡尚之が、メジャー2勝目へ向けて手ごたえをつかんでいる。風に苦しむ選手が続出するなか、この日は3バーディ・1ボギーで回り、連日の「68」。上位で決勝ラウンドへ進出を決めた。
初日の全体平均スコアは『72.000』と、パー70を上回る難セッティング。この日もオーバーパーの選手が多いなか、片岡は2日間でわずか2ボギー。ともに「68」と今季初の2日続けて60台となる安定したプレーを見せ、「この難コースでよく耐えられている。自分を褒めたい」と安どの表情を浮かべた。
要因は、ショットだ。パーオン率では、初日が77.778%(14/18)で全体6位、この日は61.111%(11/18)としたが、数字以上にいい感触を得ている。その背景にあるのが、グリップの変更だ。
学生時代から「3年おきぐらい」にグリップを見直してきた片岡。この3年はインターロッキング(右手小指と左手人さし指を絡める)だったが、2試合前の「日本プロゴルフ選手権大会 センコーグループカップ」2日目の後半から、右手小指を左手人さし指の上に乗せるオーバーラッピングへスイッチした。
ダウンスイングからインパクトにかけて「手に力が入るのが悪いクセ。なるべく脱力して打ちたいんですけど、(指が)絡んでいると、手が強くなる」という課題があった。現在、求めている感覚はインパクトで右手が離れるぐらいの脱力感。ラウンド中は右手を離すシーンが目立つが、ミスではなくしっかり脱力できた証拠で、片岡が求めるイメージである。
「日本プロのときはすごく曲がったけど、感覚はすごく良かった。続けたほうがいいかもと思って、ミズノオープン(〜全英への道〜ミズノオープン)のときもやっていたら、すごくよかった」。確かな手ごたえを得て今週の結果につなげている。
さらに、2003年発売のオデッセイ『ホワイトホット 2ボールブレード』を長く愛用していたが、ブレード型の中尺パターに替わっていた。パットの名手と言われる片岡だが、「パターが全然ダメで、気持ちよく打てない」という課題を抱え、アームロックなど試行錯誤を重ねていた。
片岡がパッティングで求めるいい感覚は「淀みなく、テークバックからフォローまで行けること」だ。しかし「インパクトで腕がちゃんと動いてくれない」ことで、自身のストローク幅に合った動きがしにくくなっていた。
アームロックはいい感触を得られず断念し、現在はグリップエンド寄りを握っている。パターを長く持つことで重さを感じ、その重さにより、腕が動くようになってきているという。それでも「パターは正直、感覚は良くないので、うまくいかない日も出てくるだろうな…というのはある。そこだけが、いま怖いです」と本音が漏れる。自身が納得できるストロークになるまで、試行錯誤は続いていく。
昨年の日本オープン優勝の資格で出場した今年の海外メジャー「マスターズ」では予選落ちを喫し苦い経験もしたが、決勝ラウンドの2日間はプレーを観戦し、多くの学びを得ていた。今回のグリップ変更に加え、飛距離アップに向けてひたすら「振る」ことも意識している。さまざまな試行錯誤の積み重ねを大舞台での結果へとつなげたい。(文・高木彩音)
