<KKT杯バンテリンレディス 最終日◇19日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6596ヤード・パー72>
ツアー23勝目を狙って首位タイから出た鈴木愛は、後半にスコアを伸ばせなかった。前半アウトの9ホールは3バーディの「33」。優勝した高橋彩華とトータル13アンダーで並び、勝負のバックナインに突入したが、バーディは最終18番パー5の1つだけ。13番パー3で高橋にこの日5つ目のバーディを決められ、3打ビハインドとなった時点で勝敗はほぼ決した。
前日の2日目はトーナメントコースレコードの「63」をマークし、初日の21位から大躍進した。ビッグスコアの翌日の足踏みはゴルフ界の“あるある”だけに、「9アンダーが出た次の日にしては、いいゴルフができたと思う。それなりにショットも安定していた」と自身に及第点をつけ、「きょうは運がなかったと思う」と悲しそうにため息をついた。
14番、15番(ともにパー4)は完璧なティショットを打てた。だが、ボールは2ホールともディボット跡につかまっていた。「ホント、2ホールとも最高のショットが打てた。残念です」。勝負のあやだった。
3日間ともマスクを着用していた。実は前週から体調不良に悩まされていた。「だいぶ良くなったけど、ノドがずっとイガイガしていた。鼻もずっと詰まっていて、呼吸できないくらいでした。夜に寝るときは両方とも詰まっているので、このままだと、ほんま呼吸できんようになって死ぬと思った」。笑って話せるくらいまで症状は改善してきたが、まだ万全ではない状態。だが、優勝にかける執念はすさまじいものがあった。
8番パー3はティショットがグリーン手前のバンカーにつかまった。しかも、ボールはアゴのところで止まった。「めちゃくちゃいいショット。まさかアゴにいくとは思ってもいなかった」。2打目はグリーンに乗せるだけ。前半最大のピンチだったが、10メートルのパーパットをねじ込み、高橋にプレッシャーをかけた。
昨季最終戦の「JLPGAツアー選手権リコーカップ」以来となる今季初Vには届かなかった。それでも「あとちょっとかな」とニヤリと笑い、苦手コースを克服した達成感はある。試合のないオープンウィークを経て、次戦は「NTTドコモビジネスレディス」(30日~5月3日、千葉・浜野GC)。「あしたからはゆっくりしたいです」。しばしの休みで体を整え、永久シードの通算30勝に向けて動き出す。(文・臼杵孝志)
