<JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 2日目◇23日◇西那須野カントリー倶楽部(栃木県)◇7036ヤード・パー72>
中島啓太が大会2日目の後半14番パー3の(実測135ヤード) で、“人生初のホールインワン”を達成した。今年2月に母校・日体大の合宿に参加したときには「250ヤードぐらいのアルバトロスは1回した」と最難関のプレーは経験済みだが、エースは練習でも「したことがない」。これが今季2勝目に向けて、吉兆になるか?
52度のウェッジで放ったショットはピン右約5メートルの斜面にキャリーすると、そこからカップに向かってゆっくり転がり、そのまま決まった。「傾斜(の使い方)と戻ってきたのは、本当にイメージ通り。完璧でした」。狙い通りの一打が、最高の結果を生み出した。
決まったことが分かった瞬間は、思わずその場でピョンピョン跳ねてよろこびを表現。ただこれについては、「そのあとのリアクションをもう1回やり直せるならやり直したいです。(同組だった堀川)未来夢さんに1年ぐらいはいじられると思います(笑)」と“後悔”も。恥ずかしさは隠せない。直後に打順を迎えた宮里優作が、冗談交じりに「さぁ、行こうか」と仕切り直しをするほどのよろこびようだった。
この時、前のホールを回っていた、大学の先輩・河本力もその様子を目撃していた。「すごかったですね。ティグラウンドで前の組のプレーを待っている時に、『入った、入った!』という声が聞こえてきた。全員が打ち終わって歩いている時にグリーンが見えて、そしたら啓太がギャラリーに向かってポーズをしていたので、『あ、啓太だ!』って」。ラウンド中だったが「ナイスー!」と大きな声で祝福した。
中島にはホールインワン賞として、ジャパンゴルフツアー選手会から賞金30万円と、サトウ食品株式会社より『サトウのごはん1年分』が贈呈される。河本は「30万円あれば、いいお肉が食べられますね!(笑)」と、焼き肉をおごってもらう気まんまんといった様子でニヤリ。それを聞いた中島は「いや、そう、はい、そうします(笑)」と、しどろもどろにはなりながらも、“大盤振る舞い”を覚悟したようだ。
その14番までは4つ伸ばしていたものの、本人のなかでは「スタートでバーディパットから3パットしましたし、10番でも3パットしてしまった。前半は2メートル以内のバーディパットも2つ外してましたし、いい流れがこないと思っていたんです」と、しっくりきていたとは言い難かった。しかし、ホールインワン達成直後のティショットこそ「緊張した」と振り返るが、そこからの4ホールで3バーディ。「上手くパットも入りましたし、最後も獲れたのでよかったです」と、モヤモヤも払拭する大きな一打になった。
このビッグプレーもあり首位と2打差のトータル13アンダー・3位で決勝ラウンドに進出。今季2勝目もしっかりと視界にとらえる。「ショットも先週よりはいいと思いますし、パターも入っていないわけではない。気持ちに余裕が少しあるのでそこはいい感じかな」。そして3日目が行われる24日(土)は23歳の誕生日。「あまり意識はしていないですけど、誕生日の前日が、こういう形で終わってくれたので、あすはいいバースデーになるように頑張りたいです」と意気込んだ。(文・高木彩音)