2022年6月のLIVゴルフ開幕以来、新リーグのCEOを務めてきたのはメジャー2勝、PGAツアー20勝で元世界ランキング1位のグレッグ・ノーマン(オーストラリア)だが、LIVゴルフを全面バックアップするサウジアラビアの政府系ファンド、PIFは英国・ロンドンを拠点とする人材コンサルティングサービス、“オジャーズ・ベルンソン社”と契約を交わし、ノーマンに代わる新しいCEOを探し求めているという。ノーマンはCEO就任以来、PGAツアーなどと大きく対立をしてきた。
当初は本戦の全英オープンへの出場を望んだノーマン。1986年のターンベリー大会、93年はロイヤル・セントジョージズで二度のクラレットジャグを掲げた歴代チャンピオンとして「特別招待」を願い入れた。
“スポーツ・ビジネスジャーナル”が第一報を伝えると、複数の米ゴルフメディアが報じた。
スポーツ・ビジネスジャーナルによるとPIFの命によりオジャーズ・ベルンソン社は極秘に人選を開始。テキサス州に拠点を置くカレッジスポーツのカンファレンスの一つ、“ビッグ12“のコミッショナー、ブレット・ヨーマーク氏とも交渉をしていたという。ヨーマーク氏とは合意には至らなかったが、スポーツ界の大物との折衝が続けられているとした。
新しいCEOが見つかった後もノーマンはLIVゴルフに上層部として残るとみられている。
9月に開催されたDPワールド(欧州)ツアーの「アルフレッド・ダンヒル・リンクス選手権」のプロアマ部門でPIFのヤシル・アルルマヤン会長と、PGAツアーのジェイ・モナハン会長、またDPワールドツアーのチーフ・オフィサー、ガイ・キニングス氏がスコットランド、セントアンドリュース・オールドコースなどでプレー、長い時間を共有している。
2023年6月にPGAツアーとPIFの統合合意の骨組みが電撃的に発表されたが、タイガー・ウッズ(米国)やローリー・マキロイ(北アイルランド)は「統合にはノーマン氏の退任が絶対条件」と語っている。(文・武川玲子=米国在住)