<KKT杯バンテリンレディス 初日◇17日◇熊本空港カントリークラブ(熊本県)◇6596ヤード・パー72>
1998年度生まれの黄金世代の一人、山路晶が5バーディ・ボギーなしの今季自己ベストとなる「67」で回り、首位と1打差の2位で飛び出した。2021年「ヨネックスレディス」(2位T)以来、5年ぶり4度目となる自己最高のスタート。現地ウェイテイングから繰り上げで出場が決まった27歳は、笑顔でクラブハウスに戻ってきた。
「調子は悪くない。いい感じです」と自信を持って臨んだプロ7年目のシーズン。開幕から2戦連続で予選落ちを喫していたが、3戦目から前週まで27位→30位→29位と上昇気流にじわりと乗って迎えた今季6戦目。「今年はすごく運気がいいらしいんです。何だったかな、姓名判断だったかな…。よく分かっていないけど、人生で一番みたい」と屈託なく笑い、昨年10月の「マスターズGCレディース」初日以来となるボギーフリーラウンドで開運の扉を開いた。
「今までもゴルフの内容は悪くなかった。パットが入らなかっただけ。きょうはショットもパットも良かった。今年からまたフェードに戻したけど、自分には合っていると思います」
インスタートの10番パー4で2メートルを沈めてバーディ発進。ティショットは突き抜け注意の左ドッグレッグのホールで、ドライバーで左サイドの高い木の上を狙い、思惑通りにピンまで95ヤード地点に運んだ。14番パー4は4メートルを沈め、15番パー4は残り120ヤードの2打目をピンそば1メートルにつけて連続バーディ。流れをグイと引き寄せた。後半は3番パー3から2連続バーディ。最終9番パー5は3メートルのパーパットをねじ込んだ。
今季のQTランクは36位。繰り上げ出場を信じ、今週は同い年で2019年のプロテスト合格同期でもある親友・田中瑞希にキャディを依頼していた。熊本国府高出身の田中にとって、熊本空港CCはジュニア時代から慣れ親しんだコース。風やラインを読み、細部まで知り尽くしている。「めっちゃキャディをやってくれて、助けてくれた」と感謝し、親友の後押しにはスコアで応えた。
2023年の「ダイキンオーキッドレディス」以来、2度目の親友タッグで2位発進。熊本市内の田中の自宅にお邪魔し、今週はまさに寝食をともにし、上位を目指していく。
スポーツ観戦好きで、2月のミラノ・コルティナ冬季五輪、3月のWBCとビッグイベントを堪能した。ラウンド後に、フィギュアスケートのペアで金メダルを獲得した“りくりゅう”こと三浦璃来・木原龍一組がSNSで引退を発表したことを知ると、「金メダルの演技は見ていました。めちゃ感動した。引退か…。でも、そんな気がしていました」と話し、「今度は自分が感動を与える番では」と振られると、「そういうオチですか。そうですね。頑張ります」と笑った。
21年「リゾートトラストレディス」2日目に1ラウンドで2度のホールインワンをマークし、「プロゴルフトーナメントの1ラウンドでホールインワンを達成した最多数(女性)」としてギネス世界記録に認定されたこともある。ツアー194試合目。これまでは21年「ニトリレディス」の3位が最高だったが、そろそろ“無冠”を返上したい。
21年の山下美夢有から昨年の佐久間朱莉まで、5年連続で初優勝者が誕生している熊本大会。感動を届けるための機は十分すぎるほど熟している。(文・臼杵孝志)
