今回、日本で初めてゴルフ場内にローソンがオープンした岡山空港ゴルフコース。しかし、これは壮大な計画の序章に過ぎないと、同コースを運営する吉備ゴルフクラブ 代表取締役社長・松尾武朗氏が明かしてくれた。
■目指すのは誰でも来られる“テーマパーク”のようなゴルフ場
「実は今回、コンビニをコース内にオープンしたのは2028年に向けたリニューアルプロジェクトの一環。今後、もっといろいろ変わっていく予定です」という松尾氏。その詳細は?
「プレースタイルをスループレーにして、外に軽食の販売店を作り、スピーカーを設置して音楽も流す計画です。コンビニをオープンしたのもスループレーをしやすくするため。現在営業しているレストランは、“ノンゴルファー向け”にリニューアルして、ゴルフをしない方が朝食、昼食、夕食を気軽に楽しめる場にしたいと思っています。また、クラブハウスも外観からすべてリニューアルしますし、誰でも気軽に楽しめるパターゴルフ場も作る予定です」と、従来の“ゴルフ場”とはまるで違う場に変わる計画だという。
松尾氏がイメージするのは海外で人気の「トップゴルフ」。トップゴルフは従来の静かな練習場と打って変わって、音楽が流れ、お酒まで楽しめる練習施設。「練習場に行く若者や初心者が増えているものの、コースの来場者数でいえばほぼ横ばい。いろいろな呼び込む導線を作り、誰でも気軽に来場してもらえる“テーマパーク”のようなゴルフ場を目指したい」と話す。
■着想を得たのはSAから!?
この着想に至った背景には、ここ20年で激変したSA事情にある。「民営化される前のSAは今ほどの人気がありませんでした。でも、民営化されてコンビニが入り、有名な飲食店がフードコートに入ったりと大きく変貌を遂げて、今では高速道路を使う人だけでなく、近隣住民の方の憩いの場にもなっています。これをゴルフ場でやってみたい」。
今までも若者や初心者が来場しやすい環境を目指したコースはあったが、地域住民までも呼び込むことを考え、ここまで“振り切った”変更を加えるコースは初めてではないだろうか。
「全国に約2,200のコースがありますが、高級路線で生き残れるのは10%、約200コースくらいといわれています。岡山空港GCは、パブリックコースなので、そちらの路線ではないところで大手のゴルフ場と“差別化”しないといけない。例えば、価格を安くするという選択肢もありますが、詰め込み過ぎて時間がかかれば『次は行きたくない』と思われてしまう。私たちは価格ではなく、“体験価値”を上げることで差別化を図ることにしました」。
また、業界内での生き残りのためだけではない。「現代はサッカー、野球、バスケ、バレー……と、スポーツが多様化しています。ゴルフ場が何もしなければ、絶対にパイは取られてしまう。ゴルフを盛り上げるという意味で、このニュースタイルでやっていきたい」と熱く語る。
ディズニーリゾートやユニバーサルスタジオジャパンでも、ハイシーズンの入場券が1万円を超えてきた。娯楽として、ゴルフで1万円以上支払うのも決して“高過ぎる”ということもない時代になっている。新たな観光名所、そして地域住民も集まる場として、岡山空港GCが今後どのような変貌を遂げていくのか“ワクワク”しながら続報を待ちたい。