大人が満足できるスポーツ2ドアクーペとして人気を博しているLC500。レクサスのフラッグシップモデルでもあり、その存在は威風堂々としたもの。走行性能も当然その名に恥じないハイスペックを誇る。生産終了がアナウンスされたLC500を、無類のクルマ好き、ゴルフ好きとして知られる松任谷正隆さんが改めて語る!
編集部(以下、編):松任谷さんが今回は選ぶと言うからちょっと楽しみにしていたら、レクサスですか……。
松任谷(以下、松):なんだよ、文句あるか?
編:ついに松任谷さんもひよったな、と。
松:どうして?
編:まあ、ある意味、ゴルファーズカーとしては王道中の王道ですからね。
松:そうかな。
編:そうですよ。駐車場に並んで、これほどゴルフ場に馴染むクルマも少ないんじゃないですか。
松:メルセデスとかだって馴染むだろ。
編:いやいや、やっぱりレクサスですよ。松山君もレクサスだし。
松:知り合い?
編:いいえ。
松:じゃあ、君付けはやめろよ。紛らわしい。怒られるぞ。
編:とにかく、レクサスはゴルファーズカーのど真ん中です。
松:まあ、それはいいとして、LCはもう最後だぞ。もっと言えば、もう受付は終わっている。生産も8月で終わりだ。
編:えーっ! そんなクルマを扱うってどうなの?
松:まあ、確かにそれはそうなんだが、乗ってみろよ。驚くから。
編:知ってますよ。何年か前に乗ったことがありますし。
松:ふうん。で、どういう印象を持ってるの?
編:レクサスはどこまで行ってもレクサスだなあ、と。
松:じゃあ、そのレクサスに共通する味って何?
編:なんでしょうねえ。おもてなし感?
松:そんな抽象的な表現じゃわかんねえよ。
編:作りの丁寧さかなあ。
松:走った時のフィーリングはどうなんだよ。
編:うーん、普通かなあ。あ、だけど滑らかで乗り心地はいいですよね。
松:俺はね、これに乗って、つくづくレクサスは独特だったんだな、ってわかった。
編:独特ですか?
松:独特だよ。これに気付かない奴はバカだね。
編:そこまで言いますか? ごく自然で水みたいだと思いますけど。
松:おい、それ、開発責任者の言葉だろ。覚えてるぞ。
編:ばれましたか……。不思議な例えですよね。何で水なのって。
松:普通ならこれだけの価格のクルマなんだからワインに例えてもいいよな。
編:ですよね。
松:まあ、今日も例によっていつもの峠道を走りながら行こうぜ。運転手は君だ。
編:わかってますよ。今日は以前ちょっとだけ使っていたゼクシオを持ってきましたから。
松:それ、クルマと何の関係があるの?
編:なんとなくイメージです。
松:ほう、レクサスとゼクシオねえ。わからなくもないね。でもちょっと違うかも、だぞ。
編:まあ、行きましょう。
松:座ってみてどうかね。
編:いやあ、こんなに囲まれ感あったんですね。インテリアが白くなかったら結構圧迫感があったかもですが、色で救われてますね。
松:そうだな。ウエストラインが高いというか、こんな穴倉だったかって俺もびっくりしたよ。
編:でも、男2人で乗ると、絶対にこれからゴルフってわかりますよね。
松:うーん、それは思い込みではないかね。まあ出発しよう。
編:走り始めた途端、レクサスって感じがしますね。俺、思ったんだけど、タイヤの重さを感じさせないのがレクサスかなあ、って。ほら、ステアリングにタイヤの重さって伝わってくるじゃないですか。あれがないんですよ。
松:確かにそうかもな。それとタイヤの真円度の高さがわかるほど震動がないよな。
編:これ、意外とサスペンション硬いんですよ。けれど、ふわっと包まれているような感じがする。これもレクサスなんですよね。
松:まあLSなんかだと、硬い感じもないけどな。
編:このふわっと感がポイントかな。
松:5リッターV8エンジンはどうかね。
編:そうそう、これはハイブリッドじゃないほうなんですよね。やっぱりどこか懐かしいような感じもあったりして。
松:V8とは言っても、アメリカンなどろどろした感じではなく、かといってヨーロッパ的な感じでもなく、独特だと思わない?
編:パワーはもちろんふんだんにあるけれど、過剰な感じはしないですね。線が少し細い感じがするのは音のせいなのかなあ。
松:そうだな。だけどスポーツモードにして踏み込むと、やっぱりV8っぽい音はするぜ。
編:普段は繊細な音ですよね。静かに寄り添ってくれるような。ねえ、松任谷さん、これ、以前、僕が乗ったことがあるLCとだいぶ違う気がします。
松:ああ、レクサスはオールウェイズオンと言って都度改良をやっているからね。何年前に乗ったかわからないけれど、マイナーチェンジなどと合わせて絶対に味付けは変わっていると思うよ。
編:直進性の良さは抜群ですね。
松:回頭性も抜群だぜ。
■自然なフィーリングで、誰でも走りを楽しめる絶妙な味付け
編:ではいざ峠道へ。
松:飛ばしていいよ。
編:いや、クラブを積んでいるので……。
松:ではほどほどに。
編:おお……。
松:ね。
編:おおおおお。
松:だろ?
編:俺、こんなに運転上手かったかなって感じです。
松:素晴らしいよな。ステアリングフィールといい、ペダル類のタッチといい、全部がとにかく滑らかで自然だからね。ついでに、というか回頭性も自然だよね。
編:そう、そこ。曲がりすぎないっていうか、修正蛇がまったく要らないのがすごい。僕のことを見透かしているような。
松:そこら辺を、昔はオートマチックすぎてつまらない、なんて言われたこともあったよね。
編:いやいや、確かにこれはつまらなくないですよ。ヘッドの中心に当たるように設計されているクラブを持っているみたいです。なんか“オールウェイズミート”って感じで気持ちいい。
松:そうなんだよな。この感覚がたぶん、ほかのどのメーカーのクルマにもないんだよ。というか、この感じを目指しているのかもしれないとさえ思える。
編:確かにそうかもしれませんね。当たりそこねの感覚はないですからね。
松:ヤーデージで言えば290ヤードは飛んでいるよね。
編:そんな感じなのかなあ。
松:スーパースポーツだと300オーバーだけど、これは290ヤードくらい。でも狙ったところは外さない感じ。OBとは無縁。
編:うまいことコンピューターが制御してくれていますよね。どスライスもチーピンも出ない。
松:と、そんなクラブが僕も欲しい。
編:それはありません(きっぱり)。
LEXUS LC500 S package
◆全長_全幅_全高:4770×1920×1345mm ◆車両重量:1950kg ◆エンジン形式:V8DOHC ◆総排気量:4968cc ◆最高出力:351kW(477ps)/7100rpm ◆最大トルク:540N・m(55.1kg-m)/4800rpm ◆ミッション:10速AT ◆WLTCモード燃費:8.4km/ℓ ◆定員:4人 ◆価格:1493万円
文・写真/松任谷正隆
◇ ◇ ◇
待望の日本再上陸!→関連記事で【ゴルファー層にガン刺さり! 熱望に応えてホンダの人気SUVシリーズ「CR-V」の6代目が復活】を掲載中