<日本オープン 最終日◇12日◇東京ゴルフ倶楽部(埼玉県)◇7251ヤード・パー70>
国内男子ゴルフの日本一を決める戦いで初優勝を狙った石川遼。最終日は1バーディ・1ボギーの「70」で回り、トータル5オーバー・8位タイで幕を閉じた。「自分のやりたいゴルフは4日間できた気がします」とV争いにこそ絡めなかったが、納得のいく内容となった。
今大会のセッティングは、フェアウェイが狭く、ラフが15センチ、長いところで20センチを超えるほどの猛ラフ。18ホールのうち半分以上がドッグレッグ、12個のパー4のうち最長524ヤードを含めた400ヤード超えが9つあるコースレイアウトだ。さらに傾斜が多くアンジュレーションの効いたグリーンが選手たちを苦しめ、4日間でトータルアンダーパーがたったの2人しか出なかった。
そのなかで石川は“刻み”を徹底した。例えば464ヤードの18番パー4では2打目が200ヤード以上残ったが、これも予定通り。どれだけセカンドショットが長くなろうと、フェアウェイキープを優先とするマネジメントを立てた。すべては入ってしまえば“1打プラス”になるラフを避けるため。
「ずっと4日間、同じようなゴルフが出来ました。出たとこ勝負のようなゴルフではなかった」と最初に立てたプランを最後まで貫いた。「ドライバーがフェアウェイに行ったらチャンス、ラフに行ったらピンチ、という(行き当たりばったりの)マインドではなく、同じことを淡々とできた。すごく良かったと思います」と大崩れすることなく72ホールを完走できた。
パーオンホールでのパット数は4日間の平均が『1.878』と、グリーンのタッチについては最後まで「合わせられなかった」と課題が残る。それでもパットを決めるためになるべくピンに寄せようとする“欲”をかいてしまったら、「ミスしていたかもしれないです」と振り返る。“自分のやりたいゴルフ”をとことんやり抜いたことが、今後の戦いにつながる。
ここからは秋のビッグトーナメントが続く。次戦は11月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」(11月7~10日)の予定。約1カ月間弱のオフは、体の管理をしながら調整の期間にあてる。
「今週のゴルフは非常に良かったんですけど、それはいったん置いておいて。スイングをまだまだ固めていかなきゃいけない時期ではあるので、球を打つということですかね。トレーニングもやって」と打球練習の量を増やし、理想のスイングと弾道のギャップを少しずつ埋めていく。フィジカル面も見直しながら、最終戦を含めた残り4試合に向けて準備を進める。(文・高木彩音)