<前澤杯 事前◇22日◇MZ GOLF CLUB(千葉県)◇6652ヤード・パー72>
今季自身初戦を迎えた宮里優作も、同組でプレーする“妹分”のゴルフに目を奪われた。
スタート時は曇っていた空は、途中から雨が降り始め、後半には大粒に変わっていった。「後半の雨は覚悟していた」と、コンディションの変化を見極めながらプレー。そのなかで「一緒に回っている瀬令奈がすごすぎて。特に前半は。逆に引っ張ってもらっている感じで申し訳ないなと思うぐらい(笑)」と、主催者推薦で出場する女子の青木瀬令奈から刺激を受けた。
青木は男子ツアー仕様のセッティングの中、前半にダブルボギーを喫しながらも3つ伸ばして折り返し。後半は2つ落としたものの「71」をマークし、女子として男子ツアー史上初のアンダーパーという快挙を達成した。
「飛距離が出るタイプではないですし、セカンドの距離も残るけど、ユーティリティやウッドで“ここしかない”というところに落としてきて、チャンスをつくっていく。彼女が持っているスキルは、この男子ツアーを呼び覚ましたみたいな感じが僕はしていて、すごくいいなと思って見ていた」
ピンを狙う意識が伝わる果敢なショットを展開する姿は、まるで“小さな巨人”。「最後はボギーを打ったけど、最後までしっかりピンを攻めていた。攻める姿勢は僕らも勉強になる。きょうは疲れたと思いますよ。すっごい頭を使ったと思うので」。平均飛距離215.33ヤードの青木にとっては、マネジメント力やショートゲーム力が問われる18ホールとなる。
そのなかでも「いつもと変わらない」プレースタイルを貫く姿があったと見る。「リズムの取り方とか、普段から試合を想定していつも練習しているので、練習と変わらず本当にいいショットを打っている」。称賛の言葉は尽きない。「少し男子はプレーが速いから、そこだけは自分のルーティンではなかったかもしれない」と心配そうな表情も浮かべた。
今回、青木のキャディを務める国内女子ツアー通算13勝の成田美寿々とは、かつて宮里もタッグを組んだ経験がある。その働きにも感心した。「プロ目線なので、フィーリングの話し合いはプロ同士の方が絶対にいいと思う。意見が違うこともあるかもしれないですけどね。今はケガもあって大変な時期だと思うので、今回がいい刺激になって、何かをつかんでくれたらいいなと思います」。そう語る表情は、どこか“兄”のようだった。
自身は1イーグル・6バーディ・3ボギーの「67」をマーク。5アンダー・15位タイ。これには「上手いのか下手なのかちょっとわからない。バーディを取ってやっと5アンダーなので」と評価は厳しい。開催前日の水曜日には「ボギーをなるべく少なくしたい」と話していたが、「相変わらずボギーが多くて。まだ少しショートゲームがイマイチはまっていない。でも初戦のファーストラウンドにしては良かったと思います」と悔しさと手ごたえが入り混じる一日だ。
プロ24年目の今シーズンの目標は、「去年は1回、2回ぐらいしか優勝争いに絡めなかった。なので、なんとか月1回ぐらいは優勝争いをしたい」。そのためにも、さらにリーダーボードをかけ上りたい。
「言い出したらきりがないけど、まだまだ細かいミスが多い。きょうはショットもそんなに良くはなかったけど、マネジメントは良かった。落ち着いて、悪い時にもスコアが出せるようにしていきたい」
女子選手ばかりに盛り上がりを任せるわけにはいかない。ベテランもその存在感を示していく。(文・高木彩音)
