<NTTドコモビジネスレディス 最終日◇3日◇浜野ゴルフクラブ(千葉県)◇6704ヤード・パー72>
まさに横綱相撲と言える強さだった。昨年の前身大会を制した菅沼菜々が、2年連続で浜野を制圧した。昨年はQTランク102位からの下剋上Vだったが、今年は自信に満ちあふれた勝利。菅沼の時代到来を予感させる内容だった。
2位と2打差の単独首位から出た最終日。2番パー4で5メートルを流し込みバーディを先行させると、そこから3連続で一気に後続を突き放した。6番、7番では距離のあるパーパットをねじ込んで耐え、12番でこの日初ボギーを喫するも、13番ではチップインバーディ。悪い流れを断ち切る強さも見せ、最後まで影も踏ませなかった。
優勝会見からも、今のゴルフに対する絶対的な自信が伝わってきた。シビアなパーパットが残る場面でも「自分を信じて打った」。昨年の優勝と比べても「今は自信まんまんでゴルフができている」と言い切る。
構えてから迷いなくクラブを振り切るプレーに加え、ドライビングディスタンスはトータル『263ヤード』で全体4位。同組の選手たちをアウトドライブし続けるなど、昨年にはなかった進化も見せた。
今季初戦の「Vポイント×SMBC」では7位。続く3試合は52位、36位、32位だったが、2週前の「KKT杯バンテリンレディス」では8位タイに入っていた。「今世紀最大に調子がいい。かみ合えばいつか(優勝が)来るだろうと思っていた」と、オフの仕上がりには確かな手応えを持っていた。
飛距離アップの一端はトレーニングにある。ただし、もともと飛距離を求めたわけではない。「下半身に力の入りづらさを感じていた」といい、自重中心のメニューから一転、80キロのデッドリフトやスクワットで下半身を強化。その結果として飛距離も伸びた。
さらに今週は「パターが入らなかったのでようやく入ってくれました」と、平均パット数『27.67』で全体4位、パーオン率は85%(46/54)で全体2位。飛ばし、乗せ、沈める。すべてがかみ合った3日間だった。
菅沼といえば、臼井麗香とのユニット『Chell7』(ちぇるなな)でアイドル活動も行うなど、ゴルフ以外でも活動の幅を広げている。会場には多くのファンが詰めかけ、ティショットやパットの場面ではピンク色の横断幕やタオルが広がった。
最終18番、ファンが押し寄せてピンク色に染まる光景は、大会のハイライトのひとつだった。こうした活動でファン層を広げる一方、「歌を出して、成績が悪いと叩かれる」と、本業への姿勢は揺るがない。
「プロゴルファーの中で一番ゴルフが好きだと思っている」。アイドル活動と並行しながらツアー通算4勝目をマークし、結果で“両立”を証明してみせた。
今後の目標は「常にトップ10入り。そしてメジャーで優勝したい」。どこか一皮むけたような印象を残した今大会。その言葉以上の未来さえ予感させる、2年連続の浜野制覇だった。(文・齊藤啓介)
