「KKT杯バンテリンレディスオープン」で、今季2勝目を挙げた高橋彩華。精度の高いショットを誇る彼女のスイングをプロコーチの南秀樹が分析。我々が参考にしたいポイントも教えてもらった。
◇ ◇ ◇
良いショットを打ってもラフにいく可能性がある、トリッキーなコースでの今季2勝目。2週前に今季初優勝を飾った調子の良さに加えて、昨年パーオン率1位のショット力を十分に発揮した勝利だったと思います。
高校3年生だった2016年に「日本女子アマ」を制し、プロテスト合格後の19年に賞金ランク14位でシード権を獲得すると、22年にツアー初優勝。プロテスト合格前後に彼女のコーチングをしていましたが、彼女の強みはツアー屈指とも言えるショット力です。特にアイアンショットにはキレがあり、好調時は課題だったショートゲームをカバーしてしまうほど。昨季75.3%で1位となったパーオン率も、技術の高さを裏付けています。
その原動力となっているのが、低く長いインパクトゾーンです。ボールの赤道をヒットしてから薄く長く芝を削る、左お尻で体重を受け止め、ハンドファーストで手を返さずにヘッドを低く長く出す、理想的なインパクトでバックスピン量が安定。狙った距離をイメージ通りに打てていると思います。これはドライバーでも同じであり、長いインパクトゾーンで、ぶ厚い当たりを作っています。
高橋選手のようにボールをヒットしてから低く長いフォローが出せれば、ショット力が向上することは約束されていると言っても良いでしょう。練習ではミドルアイアンで、ボールの先10センチに差し込み式マーカーやガムテープなどの目印を置き、これにヘッドで触れるくらいのイメージで振っていきます。ハーフスイングで低い弾道を打ち、左体重のインパクトの感覚を覚えるのが、この練習の狙いになります。
意識したいのはリリースのタイミングで、左手親指がその役割を担います。バックスイングでクラブの重みを感じていた左手親指を、インパクト付近、左手が左足前に来た時に、地面に向けながら伸ばしてリリースするのです。指の意識なら手を返し過ぎることがないので、フォローを低く長く出せ、またダウンスイングで早くリリースすることも防げるのです。
それでもフェース面が安定しないなら右手の握り方をチェック。クラブを下から握ってしまうとフェースが被りやすく、これを嫌がれば開くので、スクエアに戻りにくくなります。手のヒラとフェース面が合うように、ヨコから握ってみましょう。
■高橋彩華
たかはし・さやか/1998年生まれ、新潟県出身。2018年にプロテストに合格し、19年に初シードを獲得。20-21年シーズンは21試合でトップ10に入る活躍で1億円以上を稼いだ。22年に「フジサンケイレディス」で初優勝。25年「宮里藍 サントリーレディス」で3年ぶりの勝利を挙げた。26年は開幕から好調をキープして、2勝を挙げる活躍。サーフビバレッジ所属。
■解説:南 秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。(株)ボディスプラウト所属。
◇ ◇ ◇
●マキロイのショットを詳細分析! 関連記事『現代最強スインガー・マキロイのスイングは、『トップから左打ち出しドリル』で真似できる【優勝者のスイング】』を詳しく読めば、その秘密が分かります。
