プロギア『RS』シリーズのヒットに見る、総合メーカーとしての矜持
text by kazuhiro koyama
配信日時: 2018年8月14日 03時00分
3代目『RS』シリーズが発売直後からヒット中!
3代目となるプロギアの『RS』シリーズが7月13日に発売となった。発売週の売り上げは、長らく首位を守ってきたテーラーメイド『M4』に変わって、ランキング一位となっている。
今年のドライバー市場は、テーラーメイドの『M』シリーズが大人気。さらに、定番のダンロップ『ゼクシオ』、昨年『EPIC』シリーズがヒットしたキャロウェイの『ROUGE(ローグ)』、そしてピンの『G400』シリーズと、有力な海外ブランドのモデルが軒並み好調で、さながらドライバー戦国時代の様相を呈している。その中での初登場一位は、これまでの『RS』シリーズの飛距離に、ゴルファーが高い評価をしている証(あか)しだ。
『RS』シリーズは、つかまりの良い『RS』とフェードが打ちやすい『RS-F』の2モデル。一昨年に発売され、“ギリギリ”の高初速が評価されたモデルだ。その年の年末には、R&Aから反発係数違反の指摘を受け、リコールするという事件も起きた。一度、適合認定を受けていながらの裁定は、メーカーにとって気の毒な面もあるが、ゴルファーのあいだでは「本当に“ギリギリ”の高反発だったんだ」と、かえってその性能に信頼感を増すこととなったようだ。
今回のモデルは、ルール適合内ギリギリの反発性能はそのままで、高初速エリアを従来品よりさらに拡大しているという。プロギアでは、独自に開発された反発係数測定器で全数検査を行い、ルール限界の反発性能を管理している。実は、同社ではこれまでも精密な検査を行っていたのだが、今回は測定方式をR&Aの方式に近づけて、さらに精度を向上させている。
『RS-F』は、プロの使用率が高いのも特徴だ。一昨年発売の初代モデルは、その年にクラブ契約フリーとなった池田勇太が使用したことで、話題に火がついたが、この最新モデルも好感触のようだ(※池田が使用したのはプロトタイプ)。契約外の選手では、同じくクラブ契約フリーの三浦桃香が使用している。プロや上級者にも安心して使えるブランドとして、すでに定着した感がある。
今年のドライバー市場は、テーラーメイドの『M』シリーズが大人気。さらに、定番のダンロップ『ゼクシオ』、昨年『EPIC』シリーズがヒットしたキャロウェイの『ROUGE(ローグ)』、そしてピンの『G400』シリーズと、有力な海外ブランドのモデルが軒並み好調で、さながらドライバー戦国時代の様相を呈している。その中での初登場一位は、これまでの『RS』シリーズの飛距離に、ゴルファーが高い評価をしている証(あか)しだ。
『RS』シリーズは、つかまりの良い『RS』とフェードが打ちやすい『RS-F』の2モデル。一昨年に発売され、“ギリギリ”の高初速が評価されたモデルだ。その年の年末には、R&Aから反発係数違反の指摘を受け、リコールするという事件も起きた。一度、適合認定を受けていながらの裁定は、メーカーにとって気の毒な面もあるが、ゴルファーのあいだでは「本当に“ギリギリ”の高反発だったんだ」と、かえってその性能に信頼感を増すこととなったようだ。
今回のモデルは、ルール適合内ギリギリの反発性能はそのままで、高初速エリアを従来品よりさらに拡大しているという。プロギアでは、独自に開発された反発係数測定器で全数検査を行い、ルール限界の反発性能を管理している。実は、同社ではこれまでも精密な検査を行っていたのだが、今回は測定方式をR&Aの方式に近づけて、さらに精度を向上させている。
『RS-F』は、プロの使用率が高いのも特徴だ。一昨年発売の初代モデルは、その年にクラブ契約フリーとなった池田勇太が使用したことで、話題に火がついたが、この最新モデルも好感触のようだ(※池田が使用したのはプロトタイプ)。契約外の選手では、同じくクラブ契約フリーの三浦桃香が使用している。プロや上級者にも安心して使えるブランドとして、すでに定着した感がある。
ドライバー以外の『RS』シリーズも好調
『RS』シリーズは、フェアウェイウッドとユーティリティ、さらにアイアンにウェッジとフルラインナップされている。アイアンは2機種あり、さらにボールもある。発売された週は、ドライバーだけでなく、フェアウェイウッドとアイアンも販売ランキング1位だった。
その実績に裏付けされるように、どのモデルも出来の良さが光る。中でも中上級者向けの『RSフォージド』アイアンは、前作から大きく変わって、よりやさしく飛距離の出る仕様になっている。契約プロの原江里菜がすぐに使用開始したように、完成度の高いアイアンだ。
その実績に裏付けされるように、どのモデルも出来の良さが光る。中でも中上級者向けの『RSフォージド』アイアンは、前作から大きく変わって、よりやさしく飛距離の出る仕様になっている。契約プロの原江里菜がすぐに使用開始したように、完成度の高いアイアンだ。
筆者もコース試打を行ったが、1発目に打った打球で、そのやさしさを感じることができた。構えると、スッキリとコンパクトな形状だが、打点のブレに強く、ロフトなりよりもボールが高く上がる印象だ。フェースには反発性能の高い、薄肉高強度の板材フェースが採用されているということだが、軟鉄鍛造一体成型のアイアンとはまた違った、ボールに食いつく軟らかな打感がある。これはヘッドに内蔵された横浜ゴムの独自素材、振動減衰剤「FLASH ONE」によるものだろう。
上級者が好む操作性があり、7番アイアンのロフト角が30度と飛び性能も備えている。100切りを達成し、90切り、80切りを目指すゴルファーにうってつけの仕上がりだ。スコアメイクのために、さらに飛んで、ミスにも強いほうがいいという、中上級者のニーズにもマッチしている。
新しくなった『RSスピン』ボールも好印象だ。前作はウレタンカバーのスピン系ボールとしてはしっかりと手応えのある打感が特徴だったが、今回はより軟らかく、ボールの食いつきが増している。単品販売されている『RS』ウェッジも適度なヘッドサイズと機能的なソール形状で、『RS』ボールと組み合わせると、様々なテクニックが生かせそうだ。
上級者が好む操作性があり、7番アイアンのロフト角が30度と飛び性能も備えている。100切りを達成し、90切り、80切りを目指すゴルファーにうってつけの仕上がりだ。スコアメイクのために、さらに飛んで、ミスにも強いほうがいいという、中上級者のニーズにもマッチしている。
新しくなった『RSスピン』ボールも好印象だ。前作はウレタンカバーのスピン系ボールとしてはしっかりと手応えのある打感が特徴だったが、今回はより軟らかく、ボールの食いつきが増している。単品販売されている『RS』ウェッジも適度なヘッドサイズと機能的なソール形状で、『RS』ボールと組み合わせると、様々なテクニックが生かせそうだ。
窮地を救う『Q(キュー)』がヒット中!
『RS』シリーズだけでもアイテム数は多いのだが、同社には『egg』ブランドもある。こちらはさらにバリエーションが豊富で、高反発モデルを加えるとドライバーだけで5機種ある。フェアウェイウッドも2機種あるが、通常モデルは2番ウッドから、なんと11番ウッドまであり、番手が6つもある。全部そろえたら6本で、アイアンセットと変わらなくなる。
アイアンも『egg PC』と『egg PF』の2つの激飛び系モデルがあり、どちらも好評だ。アイテム数が多いのは、コンセプトと対象ゴルファーがはっきりしているからで、合う合わないは出やすくなるが、その分、ニーズにピッタリとハマると、大きなパフォーマンスの向上が期待できる。
プロギアには、3月に発売されて大ヒットしているクラブがある。ユーティリティクラブの『Q(キュー)』だ。ラフやバンカー、傾斜地などコース内でのトラブルに威力を発揮するというコンセプトが、ゴルファーの心をつかんだと見えて、生産が追いつかないほどの人気だという。
『Q(キュー)』は、いわゆるお助けクラブで、セットの中にもう一本加えて試してみるような手軽さがある。この感じは、古くは元祖タラコの『インテスト』や『zoom』のような初期のユーティリティクラブを連想させる。当時もまた、多くのゴルファーがお助けクラブをバッグに仕込んでいた。
転がすアプローチで威力を発揮するランニングウェッジ、『R35』、『R45』も苦手な状況や難しい状況で力を発揮するクラブという点では、『Q(キュー)』に似ているかもしれない。新溝ルール対応のマイナーチェンジを経て、すでに10年以上販売される超ロングセラーとなっている。
対象ユーザーを明確にしたことによるアイテム数の多さ、そして機能を特化したお助けクラブの充実。これらは、アイディアもさることながら、どんなゴルファーもまとめて面倒見てしまおうという、総合メーカーとしての矜持(きょうじ)を感じる。
クラブはもちろんのこと、ボールやグローブなどの用品類に加え、ヘッドスピード測定器を早くから普及していたのもプロギアだった。高機能なレインウェアも有名だ。ナショナルメーカーの中では先駆けて、パーツ販売専用のモデルを展開したり、ルール不適合の高反発モデルをラインナップしている。
とにかくアイディアが豊富だし、目に見えるニーズだけでなく、潜在的にゴルファーが必要とするところまで手を伸ばす。ゴルフについて、深く研究するメーカーというイメージがぴったりだ。『RS』シリーズは、そんな取り組みの中から生まれたもので、発売直後からゴルファーに支持されるのも得心されるところだろう。
アイアンも『egg PC』と『egg PF』の2つの激飛び系モデルがあり、どちらも好評だ。アイテム数が多いのは、コンセプトと対象ゴルファーがはっきりしているからで、合う合わないは出やすくなるが、その分、ニーズにピッタリとハマると、大きなパフォーマンスの向上が期待できる。
プロギアには、3月に発売されて大ヒットしているクラブがある。ユーティリティクラブの『Q(キュー)』だ。ラフやバンカー、傾斜地などコース内でのトラブルに威力を発揮するというコンセプトが、ゴルファーの心をつかんだと見えて、生産が追いつかないほどの人気だという。
『Q(キュー)』は、いわゆるお助けクラブで、セットの中にもう一本加えて試してみるような手軽さがある。この感じは、古くは元祖タラコの『インテスト』や『zoom』のような初期のユーティリティクラブを連想させる。当時もまた、多くのゴルファーがお助けクラブをバッグに仕込んでいた。
転がすアプローチで威力を発揮するランニングウェッジ、『R35』、『R45』も苦手な状況や難しい状況で力を発揮するクラブという点では、『Q(キュー)』に似ているかもしれない。新溝ルール対応のマイナーチェンジを経て、すでに10年以上販売される超ロングセラーとなっている。
対象ユーザーを明確にしたことによるアイテム数の多さ、そして機能を特化したお助けクラブの充実。これらは、アイディアもさることながら、どんなゴルファーもまとめて面倒見てしまおうという、総合メーカーとしての矜持(きょうじ)を感じる。
クラブはもちろんのこと、ボールやグローブなどの用品類に加え、ヘッドスピード測定器を早くから普及していたのもプロギアだった。高機能なレインウェアも有名だ。ナショナルメーカーの中では先駆けて、パーツ販売専用のモデルを展開したり、ルール不適合の高反発モデルをラインナップしている。
とにかくアイディアが豊富だし、目に見えるニーズだけでなく、潜在的にゴルファーが必要とするところまで手を伸ばす。ゴルフについて、深く研究するメーカーというイメージがぴったりだ。『RS』シリーズは、そんな取り組みの中から生まれたもので、発売直後からゴルファーに支持されるのも得心されるところだろう。