“現代の低スピンFW”を扱えるヘッドスピード!畑岡奈紗が海外で通用する理由
text by kazuhiro koyama
配信日時: 2016年10月27日 05時30分
勝負を分けた場面!“5番ウッド”を選択せずにレイアップした堀琴音
畑岡は18番でも池超えのセカンドショットをピン奥につけ、入らなければグリーン外にこぼれてしまいそうなタッチで、バーディを決めた。優勝争いをしていた堀琴音は、この時点で17番のティーショットを打ち終えたころだったが、ギャラリースタンドからの地鳴りのような歓声で、ある程度の状況はわかっていただろう。
この17番の攻めが、勝負の綾となった。17番のティショットは打ち下ろしで、見た目以上に狭く、右のクリークのプレッシャーが大きい。それを避けて、左の山裾に打ち込んでしまうプロも少なくない。優勝争いの最終盤、難しいロケーションに加えて、打つ前に随分待ち時間があった。スコアやコース攻略など様々なことが頭をよぎってもおかしくないなか、堀は、そんなプレッシャーのかかる打ち下ろしのティーショットを見事に成功させ、フェアウェイの絶好のポジションにボールを運んだ。
ところが、セカンドショットで選択したのは、池の手前にレイアップすることだった。これは、ギャラリーやテレビ視聴者のなかにも驚いた人が多かったのではないだろうか。手前に刻めば、池に入る可能性は少なく、悪くてもボギーで上がれるが、どうしてもパーで上がりたいこの局面で、2オンを狙わないのは消極的に見えた人も少なくないだろう。
堀のバッグには、ロフト角18度の5番ウッドが入っている。本来はボールがあげやすいクラブだが、左足下がりのライから、池を越えるキャリーを得るのは難しい、あるいはミスショットのリスクが大きいと判断したのだろう。技術的、物理的に確率の低いショットを選択することで、ダブルボギー以上になってしまうと優勝は完全に遠のいてしまう。そんな状況で、長いクラブを振り回すのは蛮勇といっていい。
無理を承知で、長いクラブでグリーンを狙うよりも、3打目勝負で必死にパーを拾うことのほうが、よりプレッシャーがかかることもある。堀はいわば勝負の力点を2打目ではなく、3打目に移したのだ。2オンへの誘惑を絶ち、レイアップを選択した勇気は、もし優勝していたなら、大いに讃えられていただろうと思う。
残念ながら、プロは結果でしか判断されない。3打目を寄せきれず、パーパットも入らなかったので、多くのファンがレイアップの選択が間違いだったと感じたろう。2打目を果敢に攻めてのボギーなら、むしろ賞賛されたのではないだろうか。このあたりはゴルフの難しさ、奥深さを感じさせる。
この17番の攻めが、勝負の綾となった。17番のティショットは打ち下ろしで、見た目以上に狭く、右のクリークのプレッシャーが大きい。それを避けて、左の山裾に打ち込んでしまうプロも少なくない。優勝争いの最終盤、難しいロケーションに加えて、打つ前に随分待ち時間があった。スコアやコース攻略など様々なことが頭をよぎってもおかしくないなか、堀は、そんなプレッシャーのかかる打ち下ろしのティーショットを見事に成功させ、フェアウェイの絶好のポジションにボールを運んだ。
ところが、セカンドショットで選択したのは、池の手前にレイアップすることだった。これは、ギャラリーやテレビ視聴者のなかにも驚いた人が多かったのではないだろうか。手前に刻めば、池に入る可能性は少なく、悪くてもボギーで上がれるが、どうしてもパーで上がりたいこの局面で、2オンを狙わないのは消極的に見えた人も少なくないだろう。
堀のバッグには、ロフト角18度の5番ウッドが入っている。本来はボールがあげやすいクラブだが、左足下がりのライから、池を越えるキャリーを得るのは難しい、あるいはミスショットのリスクが大きいと判断したのだろう。技術的、物理的に確率の低いショットを選択することで、ダブルボギー以上になってしまうと優勝は完全に遠のいてしまう。そんな状況で、長いクラブを振り回すのは蛮勇といっていい。
無理を承知で、長いクラブでグリーンを狙うよりも、3打目勝負で必死にパーを拾うことのほうが、よりプレッシャーがかかることもある。堀はいわば勝負の力点を2打目ではなく、3打目に移したのだ。2オンへの誘惑を絶ち、レイアップを選択した勇気は、もし優勝していたなら、大いに讃えられていただろうと思う。
残念ながら、プロは結果でしか判断されない。3打目を寄せきれず、パーパットも入らなかったので、多くのファンがレイアップの選択が間違いだったと感じたろう。2打目を果敢に攻めてのボギーなら、むしろ賞賛されたのではないだろうか。このあたりはゴルフの難しさ、奥深さを感じさせる。