タイトリストの『T300 アイアン』ってどんなクラブ?
ロマン派ゴルフ作家、ゴルフエッセイスト、ヴィクトリアゴルフのショップ店員、ALBA編集部のギア担当など、専門家が話題のギアをズバッと解説!
配信日時: 2019年12月6日 08時00分
「わかっているゴルファーのための渋いアイアン!」 by ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家の篠原です。今回は『T300 アイアン』のお話です。
<試打スペック>
番 手/5番〜9番、PW、W
シャフト/N.S.PRO MODUS3 TOUR 105(S)
『T300 アイアン』は、タイトリストの新しいブランドのアイアンです。『AP シリーズ』の当たり前の後継機種だと思っているゴルファーが多く、関心を持っているのはタイトリストのファンばかりだという傾向があります。
『Tシリーズ アイアン』は『T100 アイアン』、『T200 アイアン』、『T300 アイアン』の3種類です。順番に難易度が変わって、『T300 アイアン』が一番やさしいアイアンになります。それぞれにテクノロジーが見える部分でも差があります。芸が細かいタイトリストの底力を感じる反面、逆にわかりづらい感じもしました。
同じテクノロジーで度合いが違うのであれば、見た目でも差別化できます。しかし、同じテクノロジーなのにバックフェースの形状が違うのです。もちろん、飛距離性能向上や、やさしさをアップするために必要なのだと思うので、マイナスではありませんが、少し気になるところです。驚きの飛距離とやさしさが広告でも強調されていますが、7番アイアンのロフトは29度と、ぶっ飛び系アイアンと比較すると大人しいのです。新しいテクノロジーで飛ばすのであろうと、期待させるアイアンです。
機械的な計測に頼らずに、いきなりコースに持ち込んでラウンドしてテストのが僕の試打のスタイルです。特にアイアンは、芝生で打たなければわからないことが色々とあります。
コースで打ってみて、『T300 アイアン』は、一言でいうなら「甘くないアイアン」です。打音は、単音で、締まった音です。音量は控えめですが、打音とのバランスは良いです。打ち応えは、軟らかめです。しかし、強い弾道が出ます。打ち出しから高弾道です。
クラブのやさしさの定義は曖昧で、曲げやすいアイアンはやさしくないという評価もされます。『T300 アイアン』で強く感じた特徴は、敏感にボールが曲げられるアイアンだということです。甘くないと感じた半分は、これです。ミスショットを助ける能力は、まあまあです。多少、芯を外しても、大きなミスにはなりません。ただ、いわゆる、ミスに強いことでやさしいアイアンとして評価されているクラブには劣るようです。
飛距離性能はミドルアイアンは強烈でした。ロフトよりも明らかに飛びます。ヘッドスピード40m/秒で、7番アイアンが160ヤード近くまで飛びます。
しかし、『T300 アイアン』の秘密でもあると思いますが、問題が二つあります。一つは、ボールが止まらないことです。高さで止めている感じで、コントロールできる範囲を越えて転がることが何度かありました。飛ぶという意味では武器ですが、スコアメイクという意味では危険な爆弾です。
もう一つは、番手差が開いてしまうことです。ショートアイアンは新しいテクノロジーが採用されていないので、普通なのです。ミドルアイアンは飛ぶので、7番と8番の距離差が15ヤード以上になってしまいました。この問題は、推測ですが、僕のヘッドスピード不足が原因かもしれません。
『T300 アイアン』は、もっと速いヘッドスピードで最高にパフォーマンスをするようにチューニングされているような気がしました。これが、甘くないと感じた残りの半分です。他のアイアンでも、同じようなことがあり、『T300 アイアン』だけではありません。ヘッドスピードが遅い場合は注意が必要です。
『T300 アイアン』は、ヘッドスピードが速く、もっと上手くなりたいという意欲があるゴルファーにオススメです。見た目以上に本格的なアイアンです。それでいて、最先端でもあります。
金属的な打音や打感が嫌いで、落ち着いた打ち応えを求めるゴルファーにも『T300 アイアン』はオススメです。『T300 アイアン』の最大のプラスポイントは、本格的なアイアンとして良くできていることです。構えたところに飛んでいこうとしますし、弾道をイメージをさせるアイアンは、ありそうで案外と市場に少ないのです。
タイトリストのアイアンをスタンダードだと考えるゴルファーがいます。反論もありますが、間違いと言い切れない部分があります。『T300 アイアン』は、そのスタンダードを維持しながらも、クラブが求めるスペックに合うゴルファーが120点を出せるように作られています。テストを受けるような気持ちで試打して欲しいクラブです。
<試打スペック>
番 手/5番〜9番、PW、W
シャフト/N.S.PRO MODUS3 TOUR 105(S)
『T300 アイアン』は、タイトリストの新しいブランドのアイアンです。『AP シリーズ』の当たり前の後継機種だと思っているゴルファーが多く、関心を持っているのはタイトリストのファンばかりだという傾向があります。
『Tシリーズ アイアン』は『T100 アイアン』、『T200 アイアン』、『T300 アイアン』の3種類です。順番に難易度が変わって、『T300 アイアン』が一番やさしいアイアンになります。それぞれにテクノロジーが見える部分でも差があります。芸が細かいタイトリストの底力を感じる反面、逆にわかりづらい感じもしました。
同じテクノロジーで度合いが違うのであれば、見た目でも差別化できます。しかし、同じテクノロジーなのにバックフェースの形状が違うのです。もちろん、飛距離性能向上や、やさしさをアップするために必要なのだと思うので、マイナスではありませんが、少し気になるところです。驚きの飛距離とやさしさが広告でも強調されていますが、7番アイアンのロフトは29度と、ぶっ飛び系アイアンと比較すると大人しいのです。新しいテクノロジーで飛ばすのであろうと、期待させるアイアンです。
機械的な計測に頼らずに、いきなりコースに持ち込んでラウンドしてテストのが僕の試打のスタイルです。特にアイアンは、芝生で打たなければわからないことが色々とあります。
コースで打ってみて、『T300 アイアン』は、一言でいうなら「甘くないアイアン」です。打音は、単音で、締まった音です。音量は控えめですが、打音とのバランスは良いです。打ち応えは、軟らかめです。しかし、強い弾道が出ます。打ち出しから高弾道です。
クラブのやさしさの定義は曖昧で、曲げやすいアイアンはやさしくないという評価もされます。『T300 アイアン』で強く感じた特徴は、敏感にボールが曲げられるアイアンだということです。甘くないと感じた半分は、これです。ミスショットを助ける能力は、まあまあです。多少、芯を外しても、大きなミスにはなりません。ただ、いわゆる、ミスに強いことでやさしいアイアンとして評価されているクラブには劣るようです。
飛距離性能はミドルアイアンは強烈でした。ロフトよりも明らかに飛びます。ヘッドスピード40m/秒で、7番アイアンが160ヤード近くまで飛びます。
しかし、『T300 アイアン』の秘密でもあると思いますが、問題が二つあります。一つは、ボールが止まらないことです。高さで止めている感じで、コントロールできる範囲を越えて転がることが何度かありました。飛ぶという意味では武器ですが、スコアメイクという意味では危険な爆弾です。
もう一つは、番手差が開いてしまうことです。ショートアイアンは新しいテクノロジーが採用されていないので、普通なのです。ミドルアイアンは飛ぶので、7番と8番の距離差が15ヤード以上になってしまいました。この問題は、推測ですが、僕のヘッドスピード不足が原因かもしれません。
『T300 アイアン』は、もっと速いヘッドスピードで最高にパフォーマンスをするようにチューニングされているような気がしました。これが、甘くないと感じた残りの半分です。他のアイアンでも、同じようなことがあり、『T300 アイアン』だけではありません。ヘッドスピードが遅い場合は注意が必要です。
『T300 アイアン』は、ヘッドスピードが速く、もっと上手くなりたいという意欲があるゴルファーにオススメです。見た目以上に本格的なアイアンです。それでいて、最先端でもあります。
金属的な打音や打感が嫌いで、落ち着いた打ち応えを求めるゴルファーにも『T300 アイアン』はオススメです。『T300 アイアン』の最大のプラスポイントは、本格的なアイアンとして良くできていることです。構えたところに飛んでいこうとしますし、弾道をイメージをさせるアイアンは、ありそうで案外と市場に少ないのです。
タイトリストのアイアンをスタンダードだと考えるゴルファーがいます。反論もありますが、間違いと言い切れない部分があります。『T300 アイアン』は、そのスタンダードを維持しながらも、クラブが求めるスペックに合うゴルファーが120点を出せるように作られています。テストを受けるような気持ちで試打して欲しいクラブです。
コメンテータープロフィール
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家・ゴルフギアライター。ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、現在はゴルフエッセイストとして活躍中。
ロマン派ゴルフ作家・ゴルフギアライター。ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、現在はゴルフエッセイストとして活躍中。