ZOZOでのタイガーの勝因は“スピンコントロール”だ
text by Kazuhiro Koyama photo by Getty Images,Yoshihiro Iwamoto
配信日時: 2019年10月30日 07時40分
『TOUR B』の性能が、遺憾なく発揮された
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タイガー自身が、『TOUR B XS』を気に入っている点をいくつも語っているのだが、その内容はとても興味深いものだ。タイガーはもともとスピン量が多い糸巻きバラタボールで育ち、技術を培ってきた。そのためスピンを減らす技術には長けているが、近年のボールは低スピンすぎると感じていたという。『TOUR B XS』は、タイガーの求めるスピン量を確保し、ロングアイアンでも強いスピンでグリーンに止める弾道を打つことが出来るのが強みのようだ。
また、風に強いこと、そして思いもよらない動きをするボールが出ない安定性も非常に評価している。プロは、イメージしたボールと違う「あれっ」という出球を非常に嫌うが、そういう打球が出ないということを、タイガーは非常に評価しているという。
これらの性能は、今回の「ZOZO Championship」で遺憾なく発揮された。舞台となった習志野CCは、林でセパレートされた林間コースで、フェアウェイにキープするのに、技術を駆使した様々なティショットが必要だった。タイガーは、基本のフェードや3Wでのドロー、そして力感を巧みにコントロールしながら、最後まで安定したティショットを打ち続けた。
誰よりもスピンをコントロールしたタイガー
ラフをあまり長くしなかったのもポイントだ。日本オープンのような脱出困難な深いラフにしなかったことで、打つことは問題ないが、選手たちはかえって、フライヤーと時折吹く強い風の計算に悩まされた。それほど難しいコースコンディションではなかったにもかかわらず、世界のトップ選手たちが意外とスコアを伸ばしきれなかった理由もそこにある。
そんな中、タイガーは多彩な球筋を駆使して、誰よりもボールのスピンをコントロールしていた。ボールを操る腕を競うなら、今もタイガーに勝てる選手はいない。習志野CCはそんなタイガーの技術を発揮する絶好の舞台だったが、それを可能にした『TOUR B XS』の性能も見逃せない。強いスピン性能と風に強いこと、そしてラフでもコントロールされたボールを打てる安定性、そのすべてがタイガーをサポートした。
そんな中、タイガーは多彩な球筋を駆使して、誰よりもボールのスピンをコントロールしていた。ボールを操る腕を競うなら、今もタイガーに勝てる選手はいない。習志野CCはそんなタイガーの技術を発揮する絶好の舞台だったが、それを可能にした『TOUR B XS』の性能も見逃せない。強いスピン性能と風に強いこと、そしてラフでもコントロールされたボールを打てる安定性、そのすべてがタイガーをサポートした。
タイガーは、来年の東京五輪にアメリカ代表としてプレーしたいと抱負を語っている。来年、ディフェンディングチャンピオンとして参戦するであろう「ZOZO Championship」、そして東京五輪で再び強いタイガーに会えるかもしれない。そのときには、さらに進化したブリヂストンの新しいボールを手にしているだろう。