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歴代最高クラスの日本勢はなぜ苦しんだ? 日本にない“亀の甲羅”で明確な差【辻にぃ見聞特別編】

歴代最高クラスの日本勢はなぜ苦しんだ? 日本にない“亀の甲羅”で明確な差【辻にぃ見聞特別編】

配信日時:2022年6月6日 12時10分

ひとたびこぼれてしまえば、グリーンに戻すことすら難しい。刈り込まれている分、日本のように「ウェッジ一本で」というわけにはいかない。ウェッジを基本としてパター、時にはユーティリティとするなど、様々なクラブでの寄せが求められる。渋野日向子が「奈落の底」と評したのは言い得て妙で、日本勢だけでなく世界トップクラスの選手ですらアプローチでグリーンをオーバーしたり、戻ってきたり、という光景も多く目についた。

寄せられたとしても、奥に行けば「返しは大体尾根を越えるパットが残る。上り下りは難しいうえに、カップを過ぎればさらに奥の傾斜、というパターン。尾根を越えなければいけないアプローチも多かった。芝目もきつかったですしね」と、傾斜のきついグリーンも難易度を上げた。

さらにヤーデージブックには日本ほど詳細な傾斜が記載されておらず、自分でメモしていかなければいけない状況。それらが重なった結果、辻村氏の「急に来て戦うのは難しい」となるわけだ。

■上位の選手だって基本は「グリーンセンター」 では、なぜスコアが出るの?

そういったコースに対して日本勢の多くは「グリーンセンターに置く」という攻め方で戦っていった。だが、畑岡奈紗以外の選手はバーディを重ねることができず防戦一方に。しかし上位陣は同じコースでも平然とバーディを獲り、2桁アンダーに乗せている。どこに差があるのか。

「海外の選手も基本はグリーンセンターですよ」と辻村氏は言う。「予選ラウンドで2日間60台を出したモリヤ・ジュタヌガーンと回りましたが、彼女も基本的にはセーフティな攻めでした。ただ、自分の得意距離とウェッジの距離になったときに一気に攻めていく。その駆け引きがハッキリしているし、もちろん精度も高いからチャンスを作れる」。行くところ行かないところの徹底が日本勢よりも明確だった。

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