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日程 2025年6月13日-6月15日賞金総額 ¥60,000,000

1年以上練習場に行ってない!? 田中秀道が15年ぶり単独首位発進「早く戦える状況にしたい」

「スターツシニア」の初日は、田中秀道が7バーディ・1ボギーの「66」を叩き出し、6アンダーで単独首位発進を決めた。

所属 ALBA Net編集部
ALBA Net編集部 / ALBA Net

配信日時:2025年6月14日 10時00分

<スターツシニア 初日◇13日◇スターツ笠間ゴルフ倶楽部(茨城県)◇7038ヤード・パー72>

「スターツシニア」の初日は、田中秀道が7バーディ・1ボギーの「66」を叩き出し、6アンダーで単独首位発進を決めた。今季シニアツアー3試合目にして、初めての60台。そして、タイを含む首位で初日を終えるのは2010年のレギュラーツアー「カシオワールドオープン」以来、実に15年ぶりのことだ。

【連続写真】力強さが戻ってきた! 田中秀道の最新ドライバースイング

■極度のショットイップスで「120」を打つことも

1998年の「日本オープン」を含むレギュラーツアー通算10勝を挙げている田中だが、「切り返しでアッとクラブが消える感じ。自分の頭の中の感覚と足の動くタイミングが合わずに、運動会でコケるお父さんみたいな」と、この20年間は極度のショットイップスで、ゴルフはボロボロな状態にあった。持ち球としていた右に打ち出して戻ってくる切れ味鋭いドローボールは、右に出たまま返ってこない。

「ドライバーはシャンクみたいな球でスライスして隣の隣のホールまで行っちゃう。フェアウェイ真ん中からショートアイアンでも隣のホール、サンドウェッジでも隣のグリーンに乗ったりするケースが多かった。OBが止まらないので、スコアでいうと『120』が切れないときもありました」

近年はレギュラーツアーやシニアツアーのコースセッティングや、中継の解説をメインに活動してきた。シニア入りして活躍する年下の宮本勝昌や片山晋呉のプレーを、「すごいな」と思いながら観ているだけで、自分が一緒に競うイメージはまったく湧かなかった。

田中秀道の最新ドライバースイング。力強さが戻ってきた
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田中秀道の最新ドライバースイング。力強さが戻ってきた
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田中秀道の最新ドライバースイング。力強さが戻ってきた (撮影:ALBA)

■復活のきっかけ「グニャグニャのクラブ」

それでも試行錯誤を続けると、ゴルフの神様が田中に微笑む。力のない女性が使うようなシャフトが軟らかい「グニャグニャのクラブ」で打ってみると、ボールがつかまってフックボールが返ってくることに気付いた。「シャフトをしならせれば何とかなる」。ついに復活の糸口をつかんだ。

昨年11月、2日間競技の「コスモヘルスカップ シニアトーナメント」に主催者推薦で出場し、熱望していた実戦の機会が訪れる。初日は2バーディ・1ボギーの「71」で回り、2014年4月5日の下部ツアー「Novil Cup」2日目以来、およそ10年半ぶりに試合でアンダーパーをマークした。そして、最終日は「68」と2日間アンダーパーを並べ、トータル5アンダー・9位タイ。2009年のレギュラーツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」以来、実に15年ぶりにトップ10フィニッシュを果たした。

試合で戦えるショットを取り戻して臨んだ今年3月の「PGAシニアツアー予選会・最終予選会」では15位に入り、念願のシニアツアー出場権を手にした。だが、「ビックリの通過で、『本当に出られるようになっちゃった』というのが本音でした。急に『戦って』『頑張って』みたいなことを言われている感じなので、自分の立ち位置がやっぱりこう追いついていなかった」と、あまりに不振の時期が長く、心にスイッチが入らない。そのままシーズン開幕を迎えた。

田中のシーズン初戦は40位タイ、2戦目は45位タイ。合計5ラウンドしてアンダーパーは一度もなし。成績が出なかった要因として、シャフトのスペックにも問題が生じていた。グニャグニャクラブから徐々に硬くして調子を取り戻していたが、どんどん振れるようになったことで、「軟らかい感覚があったのでアイアンがまったく乗らない」。タイミングが合わなくなっていた。

「アイアンの調子が悪いのではなくて、振れるようになったんだから、ちゃんと硬くしていけばいい」。前の試合ではグラファイトデザイン『RAUNE(ラウネ) i105』のフレックスSを挿していたが、今週はフレックスをXにして1番手ズラした。本来7番アイアンに挿すシャフトを、ヘッドの少し重い8番アイアンに挿すことによって少し軟らかく感じる。つまり、“SX”のような振り心地になる。

54歳のルーキーとしてシニアツアーに参戦している(PGA提供)

54歳のルーキーとしてシニアツアーに参戦している(PGA提供)

■朝も夕方も練習場には一切行かない

意外なことに田中はトーナメント会場では、朝も夕方も練習場では一切ボールを打たない。ラウンド前は素振りだけ。練習グリーンでパッティングだけしてコースに出て行く。アイアンのシャフトを全取っ替えしたのなら、ラウンド前にその感触を確かめたくならないのか。

「練習場で何回も打って合わせにいくと、何か違うトビラが空くような気がするんです。合わせられちゃうから、どれが本当か分からなくなる。頭をパンパンにしないように、試合やプロアマのなかでどうなるかを試す。新しいシャフトも第一打でどうだ?っていう。もう1年は(トーナメント会場の)練習場には行ってないですね。今日スコアが悪くても練習場には行かないですし、良くても行かない(笑)」

田中が変わっているように思うかもしれないが、桑原克典や塚田好宣、プラヤド・マークセン(タイ)など、スタート前は素振りだけで練習場で球を打たない選手は、シニアツアーには何人かいる。

シャフトとともにマインドもチェンジ。「『まだまだ僕はダメです』なんて言ったら、すべてに対して失礼になる。このファーストラウンドは、『早く戦える状況にしたい』という思いでした。振りたいように振ったら、狙ったところに飛んでいく。そういうのが一発でも増えれば絶対に行けると思っていた」。振れてきたスイングと少し硬くしたシャフトがマッチして、終わってみれば単独首位に立っていた。

大会は残り2日間。全盛期のプレーを知るファンなら、2001年以来のツアー優勝を期待してしまう。「よーし、このまま行ってやるぞっていう熱いものはまだ出てこない。うまくいかなかった20年が長いので、とにかく前に進んだなと思える3ラウンドにしたい。結果として、明日(2日目)のラウンドが終わったときに『優勝狙いたいです』と言えたらいい」。淡々と話しながらも、その表情は少し熱を帯びている。

田中が今年一年で目指すのは成績よりも、フィーリングを取り戻すこと。「昔は歯車が噛み合った瞬間に、行けるぞってモードに入れた。それを一日でも早く感じたい。20年まったくダメだったくせに、そこに大丈夫な田中秀道がいると信じたいと思っています」。あの強かったドローヒッターが輝きを取り戻し、笑顔で優勝カップを掲げる姿をファンもプロ仲間も心待ちにしている。

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