<ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ 3日目◇9日◇茨城GC西コース(茨城県)◇6718ヤード・パー72>
「必死すぎてよく分からない」。強風のなか6時間にも及ぶラウンドを終えた福山恵梨は、疲れ切った表情を浮かべる。一日を振り返ろうとしても、すぐには答えが出てこないというのが本音。1番で奪ったバーディは「はるか昔過ぎて覚えてない」と笑う。バーディ4つでボギーが7つ。「75」というスコアも、平均ストロークが『79.7424』というコースでは、上出来といえる。
そんななかでも「うれしかった」と話すバーディが5番パー5だった。2打目で残り40ヤードまで近づけ、アプローチを寄せて奪ったもの。「近くまで行ったから取りたいと思った。ピンポジションは難しかったけど、そこは気持ち的にもうれしかった」と印象に残った。
前夜に、天気予報を見て、タフなラウンドになることは覚悟していた。最大瞬間風速は14.9m/s。グリーンもさらに硬く、そして速くなり、想定以上の難易度に跳ね上がっていた。「途中でキャディさんに『これはゴルフですか?』って聞いたくらい。『これもゴルフです』って言われました」。プロ16年のキャリアのなかでも一番の難しさだったともいう。
そのなかで踏みとどまり、メジャーの最終日をトータル2オーバーの単独首位で迎える。レギュラーツアー172試合目の出場で、最終日最終組は昨年10月の「スタンレーレディスホンダ」以来2度目。最終日を首位で迎えるのははじめてのことだ。
「踏みとどまれたというのは、私のなかでもあまりない経験。でもアプローチ、パターが安定していて、それがスコアにつながっている。やっぱり少しずつよくなっているのかなと思います」
下部のステップ・アップ・ツアーでは5勝を挙げながら、レギュラーツアーではシードを取れず、結果を残せない日々が続いた。それでも「今年は優勝したい気持ちが一番強いくらい仕上がっている。今年頑張れなかったら、もう(優勝は)ないかもしれない」と不退転の覚悟で臨む33歳が感じた“成長”ともいえる。
「(若い頃は)結果ばかりを見ていた時代もありました。でもそれだとゴルフが小さくなってしまう」。そんな経験を経て、今はこの大きなチャンスを前にしてこう思う。「楽しく回れたら最後にいい結果がついてくると思う。結果ばかり見ても、やることは一緒。結果は後からついてくる」
ここで優勝すると、プロ転向から5397日目での初優勝。1988年のツアー制施行後では、4991日目で勝利した同学年の工藤遥加を抜くツアー史上2番目の長さだ(1位は7242日の鬼澤信子)。積年の思いはもちろんある。ただ明日は、それも忘れて自然体で最後の18ホールに向かっていく。(文・間宮輝憲)
