<資生堂 レディスオープン 3日目◇29日◇戸塚カントリー倶楽部 西コース(神奈川県)◇6697ヤード・パー72>
「こんなことあるんだって思います(笑)」。そう話すのは19歳のルーキー・菅楓華だ。
“こんなこと”というのは、初日の16番パー5で起きたまさかの事件だった。同ホールはティイングエリアから約50ヤード先に池がある。ドライバーを握った菅は、目の前の池なんてなにも気にしていなかった。しかし、「滑ったとかでもなくて、普通にダフっちゃって、たまたまそこに池があって、入っちゃって(笑)そこから打って、バンカーに入って、出して、また近くまで行って」とやっとグリーンに乗ったときにはすでに6打目となっていた。
そこから「ワンパットのナイスダボだったんですけど、そこでトリ(+3打)だったらまた流れ変わったと思うし…」となんとかダブルボギーで耐えることに成功。まさか自分がすぐ前にある池に入れるとは思いもせず、「恥ずかしかったです(笑)」と“珍なこと”に苦笑した。その日は13番まで2アンダーで回っていたが、15番のボギー、16番のまさかのダブルボギーと連続でスコアを崩し、1オーバーまで落としていた。だが、17番パー4ではバーディを奪いバウンスバック。ルーキーが意地を見せた。
結果、イーブンパー・40位タイで初日をフィニッシュ。そして迎えた第2ラウンドでは、16番でピン右3メートルにつけてワンパットのバーディ。「きょうはリベンジとなりました」と笑みを見せる。この日は4バーディ・2ボギーの「70」で回り、トータル2アンダー・29位タイで予選を通過し、安心した様子で最終日へ進む。
トップとの差は7打差というのもあるが「自分のペースでチャンスが来たら優勝を狙うっていうふうに考えて、まずはたくさん経験をしたいなと思います」。開幕当時はQTランキング104位で挑んでいたが第1回リランキングで33位となり、その資格で後半戦に出場している。これまでレギュラーツアーには5試合出場しており、最高位は7位タイ。まずは自己ベスト順位を上回ることを目標に戦っていきつつ、今季いまだ達成されていない“ルーキーV”もこっそり狙って行く。(文・高木彩音)