ジャンボこと尾崎将司が、若手育成を目的に2018年から主宰するゴルフアカデミーで『ジャンボ尾崎セレクションISPS』を行った。2月3日から2日間にわたって行われ、4日には報道陣に様子を公開。その会場ではまな弟子・原英莉花への期待を込める言葉も聞くことができた。
それは今季から米国ツアーに参戦する西郷真央や、原について聞かれた時のこと。2022年末からの不振を乗り越え主戦場を変える西郷について、「スポーツに浮き沈みはつきもの。自分をどう見つめて、直せるか。反省して良くなってきている」と話した後に、原への“ジャンボ節”がさく裂した。
「原英莉花はね…性格が分からないんだ」と言ってニヤリ。「あれだけダメだったのに、いきなり日本女子OPで優勝したり、いきなりスコア誤記したり。もうやってることが分からないんだ。あいつにはついていけないな」と続ける。
原の2023年は、まさに“波乱万丈”の一年だった。5月に腰のヘルニア手術を受けてツアーを離脱。8月の「北海道meijiカップ」で復帰すると、そこから8試合目となった「日本女子オープン」で大会2勝目となる優勝を遂げた。10月には長年の目標だった米国ツアー出場権の出場権を得るために、フロリダ州で行われた2次予選会に参加。しかし、第3ラウンド後にスコア誤記で失格になるというハプニングにも見舞われた。
昨年のセレクション会場でジャンボは、原について「ゴルフで目立って欲しい」という話もしていたが、今年はこんなエピソードを明かした。「2年前に『2日連続で5アンダーを出したら、スランプから脱出したことを認めてやる』って言ったんだ。でも、まだ一回もできていない。そんなに難しいことじゃない。それができないと本当の意味で自信は出てこない。まだまだだな」。ジャンボ流の“愛のムチ”だ。
もちろん、その手厳しい言葉は愛情の裏返しで「頑張ろうとしている姿は見ていて一番強い。早くスコーンと抜けてもらいたいくらいだ」という思いから発せられるもの。基本的には、あまりテレビ観戦しないという海外ゴルフも「英莉花たちが出てるとたまに見るんだよ」とポツリとこぼす。米国再挑戦も視野に入れている“長女”を、今年も厳しくも優しいまなざしで見守ることになる。(文・間宮輝憲)