前日の夜に眠れず、ゴルフの調子が上がらなかったという経験があるのでは? 睡眠不足はゴルフにどんな影響を及ぼすのだろうか。アスリートの睡眠とパフォーマンスに詳しい島村麗乃さんに話を聞いた。
「一晩眠れなくても、パワーや身体能力の面では大きな問題はありません。短距離走のような競技なら、一睡もしなくても力を発揮できるでしょう。問題は、脳が回復しないことです」
特に影響を受けやすいのが、前頭葉にある『脳の司令塔』前頭前野だという。
「前頭前野は判断力、注意力、集中力、感情のコントロールなどを担う重要なエリア。睡眠不足になると、この信号伝達が鈍ります。ゴルフであれば同じミスをくり返したり、コースマネジメントが雑になったり。特に疲れが溜まる上がり3ホールで崩れる危険が高まります」
しっかり眠ってラウンドに臨みたいところだが、実は、良かれと思っている寝る前の習慣のせいで、眠りが浅くなる人も多いという。例えば、明日のラウンドのために「今日は早く寝よう」と考える行為。ゴルファーなら、誰もがやっていることだ。しかし、これが間違いの第一歩だという。
「睡眠は単体で成立するものではなく、生活リズム全体の中で整えられるものです。場当たり的にラウンド前日だけ早く寝ようとしても、簡単に寝つけるものではありません。無理に眠ったとしても、普段と違うリズムになることで、寝たつもりなのに眠りが浅い、寝ても疲れが取れていないという最悪な状態に陥ることもあります」
とはいえ、仕事の都合などで、普段から十分な睡眠時間を確保できない人も多いだろう。せめてラウンドの前日くらいは……と思うのが人情ではないか。
「その場合は睡眠の“時間”を伸ばすのではなく、“質”を上げることを重視しましょう。質の高い睡眠とは、深い睡眠のこと。特に入眠直後に、スッと深く眠れるかどうかがカギです。深く眠ることで成長ホルモンが分泌され、前頭前野をはじめとする脳や、体の疲労回復が一気に進みます」
睡眠の質が上がれば、起きたときのスッキリ感がアップ。1日中頭もクリアで、最終ホールまで集中力も続くはずだ。
【解説】
島村麗乃さん
しまむら・れいの/ジャパンアスリートトレーナー協会主宰代表理事。元プロサッカー選手の経験をもとに、運動・栄養・睡眠を統合した独自メソッド「ウェルネストリプルアプローチ」を確立。プロアスリートから一般のダイエッターまで、最短・最善で目標達成へ導いている。
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