タイトリストの『SM8 ウェッジ』ってどんなクラブ?
ロマン派ゴルフ作家、ゴルフエッセイスト、ヴィクトリアゴルフのショップ店員、ALBA編集部のギア担当など、専門家が話題のギアをズバッと解説!
配信日時: 2020年6月12日 08時00分
「SM8は新しいウェッジの歴史を作る!」 by ロマン派ゴルフ作家・篠原嗣典
<試打スペック>
『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』
ヘッド 軟鉄鍛造
シャフト N.S.PRO 950GH neo (S)
ロフト 50度8F、56度12D、60度、62度08M
※60度のみソールグラインド08M、10S、12D、14K
ロマン派ゴルフ作家の篠原です。今回は『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』のお話です。
ゴルフ歴40年を経て、僕はバッグの中にボーケイのウェッジを入れたことが1回もありません。チャンスがなかったということもありますが、構えた感じが好きになれなかったということと、狙ったところに当たりづらいと感じたことが原因で、敬遠していました。
それを知っている複数の知り合いに言われました。
「今回の『SM8 ウェッジ』は、打ってみるべきだよ」
興味を持っていたのですが、実際に『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』の開発の様子や、特徴の説明をレクチャーしてもらい、試打してみたい、と強く思ったのです。マイナスからスタートするのはフェアではないので、ナチュラルに新しいウェッジだと思い込みながらの試打になりました。
普段、ウェッジは50度と56度を使っていますので、始めはこの二つのロフトを打ちました。
『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』を構えて、あれ? と思いました。以前に感じたネック処理の無骨さや、形状がロフトによって変わって見えるという部分がないのです。本当にボーケイのウェッジかと確認したほどでした。
50度は一言で表現すると、打ちやすいウェッジです。フルショットで気持ち良く飛びますし、構えたときにも狙いやすく、ここに当ててください、という芯への導きも感じました。
56度も構えた感じに癖は一切ありません。開いても良し、という感じと、トップエッジがしっかりと見えて、変なふうに距離のロスが出る不安はゼロです。フルショットよりも、寄せに使うことで本領を発揮します。抜けが良いのです。思った通りの距離も出ます。トウ側に当たったときの距離のロスが計算できるところもお見事でした。
バウンス12度のDグラインドは、飛ばさない技術を使いやすく、スタンダードなイメージです。ソールを跳ねさせるのも良し、滑らすのも良しでしたが、敏感な分、腕自慢のゴルファー向きです。バウンス14度のFグラインドは、開いて打つと、かなりソールが跳ねます。ソールを滑らして使おうとしても、ボールは高弾道になります。オートマチックとも言えますし、一つの球種で寄せる人向けとも言えます。
両ロフト共に、打ち応えは軽めです。スッとして、運ぶイメージで使いやすいです。打音はクリアで気持ちが良いです。オーソドックスな軟鉄鍛造アイアンの音質です。面白いのは、短い距離で使う際のエネルギーが小さいときの打音です。実に繊細な高音を出します。これは快感でした。
続いて、『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』の60度は、4つのソールを試しました。バウンス8度のMグラインドは、ヒットポイントを押さえれば、飛距離もしっかり出て、スピンもかかります。ローバンスという感じはしません。寄せになると少し突っかかる感じのショットが増えて、使いづらいだろうと予測していましたが、案外と万能に使えそうな感じで、驚きました。
ちなみに、『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』の60度08Mと同じバウンスとグラインドの62度と比較してしました。60度と62度では、2度分の飛距離差が出ないことが多いのです。どちらも寄せに特化した分、フルショットで比較する意味がないからですが、やってみてビックリです。きれいにキャリーなら3、4ヤードの差が出ます。これはお見事でした。60度のほうはスピン性能も素晴らしかったです。
60度のバウンス10度グランドSは、振った分キャリーが出て、スピンもかかります。フェースを開いて使いやすいです。フルショットを基準にロングレンジの寄せを重く見るゴルファーにオススメです。
60度のバウンス12度グランドDは、テクニックを使いたくなるウェッジです。フルショットは少し苦手ですが、スピンをコントロールして、寄せることが可能です。
60度のバウンス14度グランドKは、高さを出しやすいウェッジです。基本的に高めの球筋で寄せたいゴルファーにオススメします。
『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』は、トータルとして機能美を持つぐらいに高機能なウェッジでした。特に惚れ惚れしたのは60度です。僕は以前、60度のウェッジをバッグに入れていましたが、使用法は限定的なものでした。『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』の60度もオールマイティーだとは書きませんが、自分に合ったものを使えば、やさしく狙い通りの寄せができるようになる可能性が高くなります。
最後になりますが、ダイナミックゴールドシャフトもあるのに、20g程度軽いN.S.PRO 950GH neoで試打したのは、設計者のボーケイ氏のコメントがきっかけでした。クラブのシャフトがどんどん軽くなっていく中で、ウェッジだけは重くて良いという時代は、もう終わる可能性が高い、というコメントが響きました。
軽いシャフトでも使いやすいことを意識して設計した『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』というのであれば、試すべきだと、真剣に考えました。正解だったと強く思いました。軽いことで、扱いやすく、ボールを拾いやすかったのです。
たぶんですが、僕のバックには新しいボーケイの60度のウェッジが入ることになると思います。
『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』
ヘッド 軟鉄鍛造
シャフト N.S.PRO 950GH neo (S)
ロフト 50度8F、56度12D、60度、62度08M
※60度のみソールグラインド08M、10S、12D、14K
ロマン派ゴルフ作家の篠原です。今回は『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』のお話です。
ゴルフ歴40年を経て、僕はバッグの中にボーケイのウェッジを入れたことが1回もありません。チャンスがなかったということもありますが、構えた感じが好きになれなかったということと、狙ったところに当たりづらいと感じたことが原因で、敬遠していました。
それを知っている複数の知り合いに言われました。
「今回の『SM8 ウェッジ』は、打ってみるべきだよ」
興味を持っていたのですが、実際に『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』の開発の様子や、特徴の説明をレクチャーしてもらい、試打してみたい、と強く思ったのです。マイナスからスタートするのはフェアではないので、ナチュラルに新しいウェッジだと思い込みながらの試打になりました。
普段、ウェッジは50度と56度を使っていますので、始めはこの二つのロフトを打ちました。
『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』を構えて、あれ? と思いました。以前に感じたネック処理の無骨さや、形状がロフトによって変わって見えるという部分がないのです。本当にボーケイのウェッジかと確認したほどでした。
50度は一言で表現すると、打ちやすいウェッジです。フルショットで気持ち良く飛びますし、構えたときにも狙いやすく、ここに当ててください、という芯への導きも感じました。
56度も構えた感じに癖は一切ありません。開いても良し、という感じと、トップエッジがしっかりと見えて、変なふうに距離のロスが出る不安はゼロです。フルショットよりも、寄せに使うことで本領を発揮します。抜けが良いのです。思った通りの距離も出ます。トウ側に当たったときの距離のロスが計算できるところもお見事でした。
バウンス12度のDグラインドは、飛ばさない技術を使いやすく、スタンダードなイメージです。ソールを跳ねさせるのも良し、滑らすのも良しでしたが、敏感な分、腕自慢のゴルファー向きです。バウンス14度のFグラインドは、開いて打つと、かなりソールが跳ねます。ソールを滑らして使おうとしても、ボールは高弾道になります。オートマチックとも言えますし、一つの球種で寄せる人向けとも言えます。
両ロフト共に、打ち応えは軽めです。スッとして、運ぶイメージで使いやすいです。打音はクリアで気持ちが良いです。オーソドックスな軟鉄鍛造アイアンの音質です。面白いのは、短い距離で使う際のエネルギーが小さいときの打音です。実に繊細な高音を出します。これは快感でした。
続いて、『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』の60度は、4つのソールを試しました。バウンス8度のMグラインドは、ヒットポイントを押さえれば、飛距離もしっかり出て、スピンもかかります。ローバンスという感じはしません。寄せになると少し突っかかる感じのショットが増えて、使いづらいだろうと予測していましたが、案外と万能に使えそうな感じで、驚きました。
ちなみに、『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』の60度08Mと同じバウンスとグラインドの62度と比較してしました。60度と62度では、2度分の飛距離差が出ないことが多いのです。どちらも寄せに特化した分、フルショットで比較する意味がないからですが、やってみてビックリです。きれいにキャリーなら3、4ヤードの差が出ます。これはお見事でした。60度のほうはスピン性能も素晴らしかったです。
60度のバウンス10度グランドSは、振った分キャリーが出て、スピンもかかります。フェースを開いて使いやすいです。フルショットを基準にロングレンジの寄せを重く見るゴルファーにオススメです。
60度のバウンス12度グランドDは、テクニックを使いたくなるウェッジです。フルショットは少し苦手ですが、スピンをコントロールして、寄せることが可能です。
60度のバウンス14度グランドKは、高さを出しやすいウェッジです。基本的に高めの球筋で寄せたいゴルファーにオススメします。
『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』は、トータルとして機能美を持つぐらいに高機能なウェッジでした。特に惚れ惚れしたのは60度です。僕は以前、60度のウェッジをバッグに入れていましたが、使用法は限定的なものでした。『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』の60度もオールマイティーだとは書きませんが、自分に合ったものを使えば、やさしく狙い通りの寄せができるようになる可能性が高くなります。
最後になりますが、ダイナミックゴールドシャフトもあるのに、20g程度軽いN.S.PRO 950GH neoで試打したのは、設計者のボーケイ氏のコメントがきっかけでした。クラブのシャフトがどんどん軽くなっていく中で、ウェッジだけは重くて良いという時代は、もう終わる可能性が高い、というコメントが響きました。
軽いシャフトでも使いやすいことを意識して設計した『VOKEY DESIGN SM8 ウェッジ』というのであれば、試すべきだと、真剣に考えました。正解だったと強く思いました。軽いことで、扱いやすく、ボールを拾いやすかったのです。
たぶんですが、僕のバックには新しいボーケイの60度のウェッジが入ることになると思います。
コメンテータープロフィール
篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家・ゴルフギアライター。ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、現在はゴルフエッセイストとして活躍中。
ロマン派ゴルフ作家・ゴルフギアライター。ゴルフショップのバイヤー、広告代理店を経て、現在はゴルフエッセイストとして活躍中。