優勝したセッティングを変更した池田勇太
text by kazuhiro koyama
配信日時: 2016年7月4日 12時00分
PGAツアーのユーティリティ事情
アマチュアゴルファーが使うユーティリティで多いのは、やや丸っこい形状のいわゆるウッド型が多い。ヘッド体積がやや大きめで、重心が深い位置にあるため、ボールが上がりやすくミスになりにくい。女子プロもほぼこの形状で、国内男子プロも使用者が多い。アマチュアでアイアン型を使うのは、少数派でヘッドスピードの速い上級者か、ウッド類が苦手なタイプの人だろう。
ところが、アメリカではかなり事情が異なっている。PGAツアーで活躍する選手の大半はアイアン型ユーティリティを使用し、ロングアイアンをそのまま使用するプロも少なくない。やさしいはずのウッド型を使用するプレーヤーは少ないのだ。
ジョーダン・スピースは昨年のマスターズを制したとき、3番ウッドの下にウッド型のユーティリティを入れていたが、その年、チェンバーズベイGCで行われた全米オープンで、アイアン型に変更した。全米オープン、全英オープンと低い球で攻めていかなければならないコースが続いたため、その対策かと思われたが、結果的にはそのままアイアン型ユーティリティがバッグに入った。コース攻略にはやさしいウッド型よりも操作性に長けたアイアン型のほうが適していると判断したようだ。
スピースが現在使うのは、タイトリストの『T-MB』の3番アイアン。厳密に言えばこのモデルはアイアンセットだが、中空構造になっていて、他のアイアンに比べて、よりユーリティティ的な性格を持ったクラブだ。この『T-MB』の3番や4番アイアンを入れてロングアイアンの代わりにする選手が多い。アダム・スコットは、通常のアイアンセットの3番アイアンに加えて、このモデルの3番を入れるという、3番アイアン2本セッティングにしている。
他の選手も『T-MB』をはじめ、キャロウェイの『APEX UT』、コブラ、ミズノ、スリクソンなどのアイアン型ユーティリティを使用している。PGAツアーの選手は、ミスへの許容範囲やボールが曲がらないことはあまり求めていないのだろう。200ヤードを超える距離を、ボールを高くあげたり、低く抑えたり、球筋をコントロールしながら距離を打ち分けたりと、その技術を活かせる操作性の高さをクラブに求めている。
冒頭の池田勇太のクラブ変更もそのトレンドに乗ったものだと思う。ロングアイアンで打つ距離を、アイアンと同じようにコントロールできるユーティリティは国内ツアーでも求める選手がさらに増えてくるだろう。昔のプロゴルファーは、2番アイアンを入れるのが当たり前で、その技術を競ったものだが、現代の男子プロは、シビアなアイアン型ユーティリティでグリーンを狙うことが、求められるようだ。
ところが、アメリカではかなり事情が異なっている。PGAツアーで活躍する選手の大半はアイアン型ユーティリティを使用し、ロングアイアンをそのまま使用するプロも少なくない。やさしいはずのウッド型を使用するプレーヤーは少ないのだ。
ジョーダン・スピースは昨年のマスターズを制したとき、3番ウッドの下にウッド型のユーティリティを入れていたが、その年、チェンバーズベイGCで行われた全米オープンで、アイアン型に変更した。全米オープン、全英オープンと低い球で攻めていかなければならないコースが続いたため、その対策かと思われたが、結果的にはそのままアイアン型ユーティリティがバッグに入った。コース攻略にはやさしいウッド型よりも操作性に長けたアイアン型のほうが適していると判断したようだ。
スピースが現在使うのは、タイトリストの『T-MB』の3番アイアン。厳密に言えばこのモデルはアイアンセットだが、中空構造になっていて、他のアイアンに比べて、よりユーリティティ的な性格を持ったクラブだ。この『T-MB』の3番や4番アイアンを入れてロングアイアンの代わりにする選手が多い。アダム・スコットは、通常のアイアンセットの3番アイアンに加えて、このモデルの3番を入れるという、3番アイアン2本セッティングにしている。
他の選手も『T-MB』をはじめ、キャロウェイの『APEX UT』、コブラ、ミズノ、スリクソンなどのアイアン型ユーティリティを使用している。PGAツアーの選手は、ミスへの許容範囲やボールが曲がらないことはあまり求めていないのだろう。200ヤードを超える距離を、ボールを高くあげたり、低く抑えたり、球筋をコントロールしながら距離を打ち分けたりと、その技術を活かせる操作性の高さをクラブに求めている。
冒頭の池田勇太のクラブ変更もそのトレンドに乗ったものだと思う。ロングアイアンで打つ距離を、アイアンと同じようにコントロールできるユーティリティは国内ツアーでも求める選手がさらに増えてくるだろう。昔のプロゴルファーは、2番アイアンを入れるのが当たり前で、その技術を競ったものだが、現代の男子プロは、シビアなアイアン型ユーティリティでグリーンを狙うことが、求められるようだ。
コヤマカズヒロ / ゴルフコラムニスト
雑誌・WEB媒体にレッスンなどのゴルフ記事を執筆。 99年に大手ゴルフショップチェーンの立ち上げに参画。 ゴルフギアに関しては、性能面はもちろん製造・流通まで 幅広い知識のある異色のライター。 1974年 広島生まれ