高校時代の1年間、そして大学4年間を米国で過ごした谷田侑里香(たにだ・ゆりか)は、今年、再び海を渡り米女子下部にあたるエプソン・ツアーを主戦場にするツアープロだ。そこをスタート地点に、長年「世界最高峰の舞台」として胸に抱いてきたLPGAツアー参戦を目指している。その姿を追う。
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みなさん、こんにちは! フロリダを直撃したハリケーン『ミルトン』も過ぎ去り、今は練習も再開できるなど日常が戻ってきました。直後はゴルフコースも水浸しになり、とても出られる状況ではないため、3日間は練習もできませんでした。
ようやくコースに出られるようになっても、打撃練習場などはオープンできない、という事態も数日続いていました。ハリケーンがちょうど通過していた時、実は私は寝ていて気づかず…。周りの人たちは『外、すごかったよね~』と言っていたのですが、ピンときていません(笑)。ただ、それくらい何事もなく過ごせているので、ご安心ください。
何事もなく過ごせていることが一番ですが、ハリケーンの影響がまったくなかったのかというと、そうではありません。本来であれば15日から来季出場権がかかった予選会(QT)が始まっていたのですが、それが延期になり、物理的にもふさぎ込む日々を過ごしてました。もともとはシーズン最終戦から中1週空け予選会という日程だったのですが、延期決定直後は代替日程が分からなかったことや、日本に帰りたいな、という気持ちもあり、『長引いてしまったなぁ』とか『最初の日程でやりたかったなぁ』というのが本音でした。
それでも正式に日程(22~25日)が決まると、『しっかり準備期間に充てよう』など気持ちも切り替わり、今ではやる気に満ちあふれています。予選会は、昨年、初めて受けて今年エプソン・ツアーで戦うきっかけになった試合でもあります。その1年前を思い返すと、まさに手探り状態だったなと思います。アメリカでのプロの試合というのも初めてでしたし、知り合いや友達もいない状態でした。でも、今年は初めてフルシーズンを戦い切り、ここからファイナルへ進んでLPGAツアーへ! という意識や、なによりも楽しみという気持ちがとても大きいです。
“自分の立ち位置”というものや、“自分がどれだけやれるのか”が測れなかった昨年よりも、ファイナルへ進める確率も高まっている。今はそう感じることもできています。シーズンが終わってから予選会というのもこれまではなく、不思議な感覚ですが、自然と前向きになれたことが良かったですし、とにかく“通りたい”という思いは強いです。
今週末には現地へ移動し、日曜日から公式練習も始まります。昨年は母がキャディを務めてくれたのですが、今年は来られないため、現地のキャディさんとともに戦っていきます。最終的にはショートゲームが勝負のカギになると思うので、コースに入ったら、まずはグリーン周りやグリーン面をしっかり確認して、本番に臨みます。とにかくこの準備期間で、今できることをしっかりとやって、来季につなげていきたいと思っていますので、どうぞ応援をよろしくお願いいたします。