<ファンケルクラシック 最終日◇20日◇裾野カンツリー倶楽部(静岡県)◇6993ヤード・パー72>
2打差の首位から逃げ切りを図った細川和彦だったが、「65」と大きく伸ばした宮本勝昌に逆転を許し、2位に終わった。「悔しかったですけど、楽しかったです。自分が崩れたわけではないので、その辺は納得している。去年とは大違いかな」とスッキリとした表情で話す。
昨年大会は次男の和秋さんが初めてキャディを務めたが、トータル10オーバー・71位タイに終わった。今年も和秋さんとのタッグでリベンジに挑み、トータル11アンダーで単独2位。「来週から楽しんでシニアツアーをやりたいですね」。次週の「マルハンカップ 太平洋クラブシニア」でも、和秋さんが引き続き夏休みを利用してバッグを担ぐ予定だ。
大学2年生の和秋さんは『スポーツ健康科学』を専攻して、将来はトレーナーかティーチングプロを目指している。昨年から始めたというゴルフはベストスコア「81」で、ドライバーの飛距離はトラックマンで300ヤードという腕前。「優勝争いの経験もできたし、目の前で回った人(宮本)が優勝したのを見た。ゴルフは始めて1年ちょっとだけど、ゴルフをしたい気持ちがさらに湧いたんじゃないかと思います」と目を細める。
終盤まで宮本と一進一退の攻防を繰り広げた父を、息子は「きょうも楽しんで」、「去年よりいいよ」、「トップ10に入ればいいよ」と励まし続けた。2人は確かに固くなることなく、優勝争いを楽しんでいたように見える。和秋さんは、「初めての最終組を2日連続で回れて、こういう緊張感で選手たちはやっているんだなと分かった。それを今度、自分のゴルフに生かしていきたいなと思いました」。父と宮本の真剣勝負をしっかり目に焼き付けた。
父子で過ごす濃密な夏休みはあと一週間。「楽しく一緒にできたので良かったと思います。来週も頑張ります」と息子が言えば、父も「この調子を維持して優勝争いをしたい。楽しみたい。それだけです」と気合いは十分だ。
ちなみに、2位の賞金は720万円。気になるのはお小遣いの額だ。再来週は友達と北海道旅行に行くという和秋さんに、「10万くらいあげればいいでしょ」と父は笑った。(文・下村耕平)