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「今週はパターのおかげ」塚田陽亮の一途な“相棒”と、3戦連続予選落ち→4位と好転させた女子プロの存在

塚田陽亮は開幕から3試合連続で予選落ちを喫してから、ツアー通算7勝の女子プロにスイングを見てもらっている。

所属 ALBA Net編集部
小高 拓 / Hiromu Odaka

配信日時:2023年7月29日 00時31分

塚田はボールの線とパターの白いラインを合わせて構えている
三角ネックでミスヒットに強い『トライビーム 6M』
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塚田はボールの線とパターの白いラインを合わせて構えている (撮影:ALBA)

<日本プロゴルフ選手権 2日目◇28日◇恵庭カントリー倶楽部(北海道)◇7441ヤード・パー72>
 
年間に何本もパターを替える男が今年は一途になった。開幕前のツアー外競技から使うマレット型のオデッセイ『トライビーム 6M』に惚れている。「構えやすくて、あとはそれに沿って打つだけ。狙ったところに打てるんです。今週はパターのおかげ」と話す38歳の塚田陽亮。第2ラウンドは5バーディ・2ボギーの「69」をマーク。トータル2アンダーとして前日の48位タイから11位タイに順位を上げた。
 

この2日間の平均パット数2位が心強い。2~3メートルのバーディチャンスは確実にものにし、「5メートルぐらいのパーパットを何回も入れましたよ」とピンチもしのいでいる。今年からボールに縦と横に線を入れ、パターのトップラインにも白いラインを施してもらったことで、「狙ったところに打てるようになりました。入る、入らないは結果だけど、狙ってところに打てていることは大事」とグリーン上でストレスを感じずに戦えている。
 
2013年に初シードを獲得し、16年の「日本ゴルフツアー選手権」で初優勝を遂げ、長年一線で戦い、すでにベテランの域に入ってきた。「ここ数年ショットがよくない」と昨季は賞金ランキング64位とぎりぎりでシードを確保。今季も開幕から出場3試合連続予選落ちの憂き目にあっていた。
 
ショットの改善に頼ったのがツアー通算7勝を誇る女子プロの飯島茜だった。塚田の2歳上の飯島とは中学生時代のコーチが一緒という縁がある。疎遠になった時期もあったが今年食事をする機会があり、スイングを見てもらうことになった。
 
「俺はトップが高くてクロスになるのでそれを辞めようみたいな感じです。入射角がきつすぎるとボールがさばけないので」。トップの位置やダウンスイングの下ろし方の意識を変えることに取り組んだ。飯島に教わり始めて初戦の「ゴルフパートーナープロアマ」では予選通過どころかいきなり4位タイに入った。その後も中島啓太が金谷拓実に競り勝って初優勝を遂げた「ASO飯塚チャレンジド」では最終日最終組で回り、若い二人に交じって6位タイに入っている。ストレスのないグリーン上に加えてショットが安定してことで、成績もついてきた。
 
飯島はツアー会場に来ることはないが、空いているときにインドアなどの練習場で見てくれる。ツアーを戦った経験のある先輩プロからは容赦ない指摘も心に響く。「茜に教わってから予選落ちなしですよ。ショットの安定感が出てきましたね。茜はすごく熱心に教えてくれます。一般の人にも相当人気だと思う」と飯島の教え上手ぶりに助けられている。
 
もともとツアーでは飛ばし屋として有名だが、昨季のドライビングディスタンスは300.21ヤード(7位)と健在。今季もここまで304.46ヤード(10位)と若手に負けない飛距離を維持している。「飛ばそうと思って飛んでいるわけではないんですよね。クラブがよくなっているし、スタッフが自分に合ったシャフトを勧めてくれるから、信用してクラブを使える。それで飛んでいるんだと思います」と、スリクソンのツアー担当者の支えがあっての飛距離だと感謝する。
 
16年に初優勝を遂げてから2勝目が遠い。「今は見ていて面白いゴルフをする若手が魅力的。われわれ中堅…中堅でもないけど、どれだけ若い選手についていけるかという時代。残り2日も同じことをやるだけです。グリーンを外したら必死にパーを獲って…」。日曜日のバックナインまでは静かに戦うつもりだ。(文・小高拓)

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