「マスターズ」で連覇を達成した現代最強のスインガー、ローリー・マキロイ(北アイルランド)。彼の正確なアイアンショットをプロコーチの南秀樹が分析。我々が参考にしたいポイントも教えてもらった。
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飛距離と方向性を高めたいアイアンショットでは、ドライバーと比べて重心ポジションとスイングの幅が変わってきます。ただ、マキロイを見ると、大きくスイングを変えるような動きは見られません。コースに出れば、ほとんどのショットでフルスイングではなく、残り距離に合わせたスイングが求められます。アイアンではラインを出していくショットになりますが、ただ、彼のベースはフルスイング。特別なことはしていません。
それを象徴するのが、飛球線後方から見たインパクト直後のカットです。スムーズに回転しているというよりは、前傾をキープしボールに圧をかけ、どこか詰まったような感じがあります。腕が体に近く、体の開きを抑えてインパクトで力を出し切ったことが伝わってきます。アイアンのようにスイング幅が小さくなっても、ボールにかける圧は変わらない。だからボールがブレずに飛んでいくのだと思います。
アイアンで大切にしたいのが、マキロイのようにボールに圧をかけることです。これができれば、距離を落としてラインを出す時でも、しっかりヒットできるので右ペラや、引っかけるミスを軽減できます。
意識したいのはダウンスイングでのフェース向き。前傾と同じ角度でフェースが戻ってきていることがポイントになります。練習では、ヘッド軌道に沿って、その内側にタオルを置いてフェース向きと軌道をチェックしながら打つのがオススメです。使用クラブは7番アイアン。ボールの前後10センチはタオルを直線に、そこから先はイン・ストレート・インの軌道を描くようにしてややアーク型にセットします。
あとはタオルに沿ってクラブを下ろし、振り抜くのみ。フェース面と軌道は関係性が深く、フェースが開けばクラブが寝やすく、またフェースが閉じればヘッドが極端に上から入りやすくなります。前者はダウンスイングでフェースを閉じて下ろすこと、後者はフェースを開いて下ろすことを意識しましょう。その際、腕や手の感覚を大切に、どういうポジションやフェース向きであれば正しくヒットできるか、ゆっくり素振りをしながら軌道を確認して練習してください。
タオルに沿って振ることで、フェース面や軌道、入射角が整い、出球も揃ってくると思います。地味な練習ですが、確実にステップアップできる基本が詰まったドリル。クラブの動きが安定すれば、ボールがコントロールしやすくなって、アイアンショットが楽しくなります。
■ローリー・マキロイ
1989年生まれ、北アイルランド出身。欧州ツアーでの活躍が注目を集め、2011年には「全米オープン」でメジャー初制覇。翌年に「全米プロ」、14年に「全英オープン」、「全米プロ」を制した。キャリアグランドスラムがかかってから11度目の挑戦となった25年、「マスターズ」を制し悲願達成。史上6人目の快挙を成し遂げた。さらに26年に「マスターズ」連覇を達成している。
■解説:南 秀樹
プロゴルファーである父の影響でゴルフを始め、高校卒業後にティーチングプロ資格を取得。クラブを使うことを主とする指導法が高い評価を得ている。幼少期から鈴木愛を指導するなど、ツアーで活躍する数多くのプロをサポートしている。㈱ボディスプラウト所属。
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