スコアの停滞に悩むアベレージゴルファーにとって、ボール選びは練習以上に即効性のある「上達のショートカット」になり得る。結論から先に言えば、新しくマイクロコーティングが採用された、ウレタンカバーの『TOUR RESPONSE STRIPE(以下、ツアーレスポンス)』こそ、その代表例と言えるだろう。
これまで、テーラーメイドのツアーボール『TP5』シリーズの陰に隠れがちだった『ツアーレスポンス』。フィッターの吉川仁氏による徹底試打で見えてきたのは、これが単なる“プロモデルの廉価版”ではなく、スコアの停滞を解消する“アベレージ層にとってのお助けボール”になり得る点だ。
■ プロは「曲げたい」、アマは「曲げたくない」
吉川氏が真っ先に指摘したのは『TP5』と『ツアーレスポンス』の明確なキャラクター分けだ。ツアーボール『TP5』はプロや上級者の意図通りに操れる優れた弾道操作性を備える。対して『ツアーレスポンス』は直進性に優れ、ティショットでスコアを崩す人にオススメだと言う。
「自在に弾道操作できる『TP5』や『TP5x』を使うには“まだ早い”と思っている人にちょうどいいのが『ツアーレスポンス』で、ウレタンカバーなのにソフトで低スピン。ただでさえ直進性があって曲がりに強いのに、さらに『TP5』や『TP5x』にも採用されているマイクロコーティングが加わって弾道が揃うし、スコアの大敵・OBを減らせるのが何より大きいですね」
この言葉を裏付けたのが『Qi4D』ドライバーを使った試打データだ。アベレージ層を想定して振った吉川氏は、ヘッドスピード42.2m/sでのっけから高弾道ストレートを連発。スピン量は2,470rpmと少なめで、打ち出し角も13.6度と高め。その後も、トウに打点が外れてミスした球でも右に抜けずに耐えた。
この結果は、ソフトで潰れやすい利点に加え、微細な粒子で液溜まりのない「マイクロコーティングによるものもある」と吉川氏は指摘。「打感がとにかくソフト。潰れ感があってフェースに乗るからつかまるし、マイクロコーティングされている安心感もあって直進性が抜群でした」。
■ 「360°クリアパスアライメント」は入射角にも影響大
この基本性能に加え、従来から人気の「360°クリアパスアライメント」も試して「コレは使える!」と目を輝かせた吉川氏。「練習場と違ってコースで右を向きやすくなるのは目印がないから。目標に正しく構えられる「360°クリアパスアライメント」の視覚的な安心感は大きい」と、まずは基本の【ヨコ】の使い方に納得。
置き方をアレンジすれば、あらゆる症状で使えるとか。「普段【クラブパス】というヘッド軌道を計測機で確認しながらフィッティングしていますが、その意識付けにも使えますね。例えばフェアウェイの左端からフェードさせたい場合、「360°クリアパスアライメント」を少し左向きに置くとイメージ通りに弾道を再現しやすくなります」。
フェースと同じ【タテ】向きでも、入射角の改善に繋がる置き方があるという。「上から入るスピンの多い人は、当てる白い場所を狭く見せる置き方にすれば入射角が自然に低い位置から入るようになる」。ティショットのトラブルが多い人には「360°クリアパスアライメント」だけでもかなり使えるのだ。
ただ、『P8CB』アイアンの7番の試打では、ややスピン量が少なめの5665回転になった。「スピン量がドライバーやアイアンのフルショットでやや落ちるのは仕方ないというか、アベレージ層が一番スコアを悪くする要素、曲げたくない人のために必要ですよね」と吉川氏。
■ 「高さ」で止められるアイアン
その上で、アイアンは「高さを出せることが重要」と強調する。実際、7Iの吉川氏の落下角(ランディングアングル)は49.0度を記録しており、「ツアーレスポンスはすごく落下角度が鋭角で、高さで止まってくれます。その上で、吸い付くから長くコントロールできる感じで高い球が打てる」と頷く。
アイアンのフルショットとは異なり、ウェッジで残り70ヤードから打つと、ウレタンカバーのスピン性能に驚いた吉川氏。「スピン性能は抜群。9300回転以上かかって、バックスピンで戻るくらい止まります。加えて吸い付くようにフェースに乗るのでコントロールしやすいし、砲台グリーンでもキャリーで突っ込んでいけます」。
残り30ヤードから『TP5』も試して5,499rpm/打出角35.6°/高さ5.6ydだったが、『ツアーレスポンス』は4,532rpm/37.4°/6.5yd。「どちらもソフトだけど『ツアーレスポンス』は打ち出しがポーンと高い」と違いを指摘した吉川氏。バンカーでもこの「高さ」は同様で、高いアゴでも脱出しやすいと頷いていた。
最後に、「一番威力を発揮する」と言うのが、やはりグリーン上だった。『Spider Tour X』のトゥルーパスアライメントと『360°クリアパスアライメント』が同じ幅なこともあり、「パターと『ツアーレスポンス』の線を合わせるだけで方向性が完璧になりますね」と、面白いように4、5メートルのパターを決めた吉川氏。
■ ティショットからパターまで「方向性最強」
こうした【ヨコ合わせ】のパターだけでなく、ブレードタイプの『SYSTM2』パターも試してカップの真ん中から沈め、「ステンレスでインサートのないソリッドなモノでも打感が心地よくなる」と笑顔。ラウンドを増やしたいベストシーズンがやってきたが「トータルパフォーマンスが良いので、使った方がスコアは良くなる」と話していた。