【バケモノたちの使用ギア】本当に崖っぷちなのか? 石川遼がやろうとしていること
PGAツアーデータ・ドリブンシリーズとして、さまざまな公式データからギアとバケモノの相関関係をひも解いていく企画。今回は巷で崖っぷちだと言われる石川遼について。
配信日時: 2017年6月28日 04時09分
ティショットでFWキープできず、ラフから乗る確率も低いのが今季の現状
腰の故障から復帰して20試合中で結果を残さなければいけない立場だが、いかんせん不安定なティショットが尾を引き、全体のデータを悪くしているといえるだろう。ドライビングディスタンスは287.6ヤード(126位)、平均キャリーは274.6ヤード(125位)で、スマッシュファクター(ミート率)は1.456(195位)、一番大切なドライビングアキュラシー(FWキープ率)は51.09%(196位)となっている。
現状のデータを見る限りでは、パワーゲーム化するPGAツアーの中で、ドライバーの飛距離が中の下で、FWキープ率が著しく低い状態だといえる。そして、ラフからのセカンドショットの上手さを示すデータでも165位と低くなっており、パーオン率61.71%(183位)に響いてきている。飛ばなくても曲がらないティショットさえ手にすれば、この辺りも関連してデータもスコアも向上するのは間違いない。
ただし、現状のデータからずっと今季は状態が悪いのか?と問われれば、そうとも言い切れない。昨年10月の「CIMBクラシック」から今年1月末の「ファーマーズインシュランスオープン」までは、常にアンダーで周り、上位進出の目も見せていた。この時、石川が取り組んできた「ショットの精度を高めるスイング」とは、腕と体の動きを同調させてフェースローテーションを抑える動きで、年初に石川は「自分はフェースローテーションが多いタイプだと気づいた」と語っていて、筆者は「今更気づいたの!?」と驚いた記憶がある。
現状のデータを見る限りでは、パワーゲーム化するPGAツアーの中で、ドライバーの飛距離が中の下で、FWキープ率が著しく低い状態だといえる。そして、ラフからのセカンドショットの上手さを示すデータでも165位と低くなっており、パーオン率61.71%(183位)に響いてきている。飛ばなくても曲がらないティショットさえ手にすれば、この辺りも関連してデータもスコアも向上するのは間違いない。
ただし、現状のデータからずっと今季は状態が悪いのか?と問われれば、そうとも言い切れない。昨年10月の「CIMBクラシック」から今年1月末の「ファーマーズインシュランスオープン」までは、常にアンダーで周り、上位進出の目も見せていた。この時、石川が取り組んできた「ショットの精度を高めるスイング」とは、腕と体の動きを同調させてフェースローテーションを抑える動きで、年初に石川は「自分はフェースローテーションが多いタイプだと気づいた」と語っていて、筆者は「今更気づいたの!?」と驚いた記憶がある。
「今までも腕と体の同調は意識していたのですが、体の動きとクラブの動きが合っていませんでした。手はアウトサイドから入っているのに、ヘッドはインサイドから下りてくるという具合です。ダウンスイングで体が先行して振り遅れ、いわゆるクラブが寝て入ってくる。その体勢からヘッドをクローズフェースで当ててドローボールを打っていた。それでは再現性は低い。常に体の正面にクラブがあるように意識して、手とクラブが同じ軌道を描くようにしています」(石川遼が2月に語ったことbyパーゴルフ)
そのため序盤戦は、ヘッドの開閉が少なく、フェード系の新スイングを体に染み込ませるためにフォロースルーを意識していた。手が腰の高さに上がった辺りでクラブが体の正面にあり、なおかつ立った状態。その位置に振り抜く意識を持つことで、バックスイングやトップ、ダウンスイングまでが、フォローに対して自然と正しい位置に収まると考えていたわけだ。
「今まではバックスイングとかトップの形を意識することが多かったのですが、ゴルフがぐちゃぐちゃになっていました。今は、フォロースルーだけを意識しているので、ゴルフになっています」と2月に語っていた石川だが、数ヶ月経っても長年染み付いた動きを取り去るのは至難の業だったのだろう。
以前バッバ・ワトソンが来日した時、しきりにシャドースイングを繰り返す石川に対して「プレー中はスイングのことを考えるのをやめたらどうだい?」とアドバイスされていたが、今季も変わらずラウンド中のスイングチェックは続き、理想を追求するあまり、自分の良さやスムーズな動きを失ってしまったのではないだろうか。
そのため序盤戦は、ヘッドの開閉が少なく、フェード系の新スイングを体に染み込ませるためにフォロースルーを意識していた。手が腰の高さに上がった辺りでクラブが体の正面にあり、なおかつ立った状態。その位置に振り抜く意識を持つことで、バックスイングやトップ、ダウンスイングまでが、フォローに対して自然と正しい位置に収まると考えていたわけだ。
「今まではバックスイングとかトップの形を意識することが多かったのですが、ゴルフがぐちゃぐちゃになっていました。今は、フォロースルーだけを意識しているので、ゴルフになっています」と2月に語っていた石川だが、数ヶ月経っても長年染み付いた動きを取り去るのは至難の業だったのだろう。
以前バッバ・ワトソンが来日した時、しきりにシャドースイングを繰り返す石川に対して「プレー中はスイングのことを考えるのをやめたらどうだい?」とアドバイスされていたが、今季も変わらずラウンド中のスイングチェックは続き、理想を追求するあまり、自分の良さやスムーズな動きを失ってしまったのではないだろうか。