今季最後の海外女子メジャー「AIG女子オープン」(全英)が、現地時間22日(木)に開幕する。今年の舞台は聖地セント・アンドリュースのオールドコースだ。今年は笹生優花、古江彩佳と日本勢がメジャーで2勝、そして本大会でも多くの日本人が活躍してきた。
2019年大会を制したのが渋野日向子だった。初めての海外試合ながら初日から躍動し、ついには樋口久子以来42年ぶりのメジャー優勝を果たし、列島はフィーバーした。海外メディアやファンも渋野に注目。笑顔を振りまきながらプレーし、勝利をつかんだシンデレラストーリーは全世界を駆け巡った。
そんな渋野の活躍を当時の記憶とともに、写真で振り返っていく。
◇
スマイルが英国のファンをとりこにした。大胆なプレーはもちろん、プレー時に見せる表情や仕草、およそプレー中とは思えない楽しげな姿が、ギャラリーの心をがっちりとつかんだ。競技中でありながら、ホール間ではファンとハイタッチ、子どもギャラリーにはグローブにサインをするために立ち止まるなど、こういった天真爛漫な行動のひとつひとつが大喝采を浴びた。
そんなファンサービスが日に日に話題となり、優勝争いのなかでも一際大きな歓声を受け続けることに。最終日の最終ホール。首位タイで迎えた勝負のホールでティショットをフェアウェイど真ん中に運び、2打目をグリーンオンさせた。そこでギャラリーが目にしたのは、キャディと大爆笑する渋野の姿だった。そしてその手にはあるものが握られていた。
それが駄菓子。フェアウェイ上でお菓子を頬張る“もぐもぐ”タイムに多くの人が興味津々。笑顔でかじりつく姿に、「あれは何を食べているのか?」と現地メディアからも質問が飛んだ。「食べているのは駄菓子!」と無邪気に答える。今でも転戦に欠かせないお菓子は、当時からラウンドのお供だった。
ちなみに最終日のスタート時間は現地時間午後2時35分。昼食をとってからスタートしたが、ラウンド中は何度もお菓子で小腹を満たしていた。優勝が決まり、表彰式や写真撮影などが行われたあと出席した公式会見では、大会から差し入れされたサンドイッチをおいしそうに頬張る。そんなシーンも海外メディアは大きく報じていた。
とにかく明るい優勝劇。メジャーという厳かな雰囲気を一変させた、シンデレラの魔法から5年が経過した。今年はどんなプレーが生まれるのか、そしてどんなシーンが撮影されるのか。今から楽しみでならない。