1万本以上は当たり前!? 渋野日向子、西郷真央らに聞いた『スマホで撮影したスイング動画の活用法』【カメラマン南しずかの米ツアー小話】
米国女子ツアーを長年取材しているカメラマン・南しずか氏が気になるネタをピックアップ。これを見れば“米女子ツアー通”になれるかも!?
配信日時:2024年10月8日 05時15分
畑岡奈紗、古江彩佳、渋野日向子らに加え、今季からは西郷真央らが新たにメンバー入りし、日本勢9人が出場している米国女子ツアー。その動向にも注目だが、試合以外や海外勢のおもしろ話まで伝えるのはなかなか難しい部分も…。そこでツアーを長年取材しているカメラマン・南しずか氏が気になるネタをピックアップ。これを見れば“米女子ツアー通”になれるかも!?
◇
プロゴルファーの“動画撮影”は当たり前の光景だ。練習時に球を打つとき、キャディなどその選手の関係者が、スマホで動画を撮る。選手は球を打ち終えると、すぐにそのスイング動画をチェックする。客観的に自身のスイングを確認することを目的とする。
それでは、「何をチェックしてるのか」、「必ず見返すスイング動画はあるのか」、「何年分のスイング動画を保存してるのか」など、日本人選手に詳しく聞いてみた。
勝みなみは、定期的に見返すスイング動画がある。「中学生のころのスイング動画を必ず見ます。そのころは、ただターゲットのことだけを考えて打っていたので、スイングがすごいシンプルなんですよね。球もまっすぐ飛んでいたので。今は、そのシンプルさがちょっと足りないというか、考えすぎちゃって、なんかちょこちょこやっちゃうことがあるので」。スイングに迷いが生じた時に、初心に立ち返るヒントとなるのが、ジュニア時代の動画ということだ。
西村優菜にもそのような動画がある。「一番見るのは、(2021年の)サロンパスカップで優勝した時のスイングです。コンパクトに振ってる感じが好きで」。絶好調だった時のスイングはどんな感じだったか、その感覚を思い出すために見返す。
その時のものだけではなく、ジュニア時代から今まで、撮った動画はすべて残してある。「(動画は)消さないです。消したことないです。携帯のビデオにはスイングしか入ってないです。だから(携帯は)一番容量が大きいものです。母の携帯にもめちゃくちゃ入っていると思います」。西村親子の携帯に入ってる動画は、合わせて1万本以上あるという。
渋野日向子のマネージャーの携帯には、「ここ4年間ぐらいで1万4000本の動画」が入っている。マネージャーを務めるようになって撮り始めたのが、約4年前ということだ。「(マネージャーに)ちょこちょこ撮ってもらって、それを見るって感じですかね」(渋野)と日々のスイングをチェックするために活用している。
吉田優利も日々のスイングを確認するために動画を撮る。「基本は毎日撮っています。『あ、今日はこんな感じかな』って確認します。今と昔じゃスイングが全然違うので、定期的にあの時のスイング動画を見返す、みたいなことはしないです」。
どの選手よりも撮っている、と自負するのは西郷真央だ。「スイング動画は毎日、絶対に撮っています。自分の感覚と実際のスイングにズレが生じていないか、そのチェックが一番大きいです」。試合前の練習時間に必ずチェックし、試合後には、試合中のスイングを見て、自分の感覚とすり合わせをする。
西郷は動画だけではなく、メモも残すようにしている。「『こういうクセが出ていて、こういう動きを入れたら良くなった』とか、その時に気づいたことをLINEにメモしています」。スイングがズレてきたときに、どんな修正をしたらいいのか。自分への対処法をアップデートし続けているということだ。
スイング動画の活用は、選手によって様々である。(取材・文/南しずか)