国内69勝、海外3勝を誇るプロゴルファー・樋口久子の足跡を展示する『チャコ・ヒグチ ミュージアム』が、15日に長野県の松本浅間カントリークラブ内にオープンした。同日にはそのオープンを記念し開館式典が行われたのだが、そこに展示されているのは、まさに“逸品”ぞろい。改めて日本女子プロゴルフ界のパイオニアのすごさを体感できるものだった。
ぜひとも、実際にミュージアムに足を運び体感してもらいたいが、ここでその展示物をほんの一部だけ紹介する。
樋口といえば、1977年の「全米女子プロ選手権」で、アジア選手として初めて海外メジャー制覇を成し遂げた人物。それにまつわる超貴重品も見ることができる。なかでも目を奪われたのが、優勝した時のスコアカード。樋口によると、「これは本来、門外不出なのですが、戸張さん(ゴルフトーナメントプロデューサーの戸張捷氏)が取り寄せてくれた」というもの。その時のスコアがハッキリと記入されている。
会場には米ツアーで戦っていた時のクラブも展示されているのだが、ここにも全米女子プロで勝った時に使われていたパターが置かれている。思わず見入ってしまう、まさに一見の価値がある“超貴重品”だ。
また、さすが日本と海外で通算72勝を挙げているレジェンドとあって、そのトロフィーの数にも驚かされる。東日本大震災により、損壊してしまったものもあるというが、「日本女子プロゴルフ選手権大会」7連覇で手にしたトロフィーなどは圧巻。ちなみに、ここにはそのうち6個が並んでいたのだが、残りの1個は2003年に日本人として初の世界ゴルフ殿堂入りを果たした際に寄贈したというのだから、飛び出てくるエピソードもすごい。
そして展示物を紹介する際、樋口がひときわ目じりを下げたものがあった。それが一枚のポスター。1990年に行われた「帝産・クリナップ ビューティーズゴルフトーナメント」という大会のポスターで、小さい女の子がモデルになっている。この少女が、ミュージアムの館長を務めることになった樋口の愛娘・大塚久仁子さん。「あっち向いたり、こっち向いたりで大変だった」と笑顔で当時を懐かしむ表情は母親のそれ。15日には、そのポスターの前で親子ツーショットも実現。ちなみに、この大会を制したのも樋口だったのだから、さすがだ。
他にも米ツアー転戦時に使用していたキャディバッグや、シューズ、数々の写真、そして『プロゴルファー猿』などの作者として知られる漫画家の故・藤子不二雄A氏が描いた樋口の似顔絵など、挙げていくとキリがない。これを入場無料で見ることができる。
1967年にプロテストに合格し、今年でプロゴルファー人生60年目。「すべての歴史がつまっている」というミュージアムで、その“輝かしい足跡”を辿ってみるのはいかが?(文・間宮輝憲)
