今季が始まる前に取材した折、やりたいことを尋ねると、最初に「トレーニングと練習です」という答えが返ってきた。「犬と遊ぶこととディズニーランドに行きたいです」という18歳らしい言葉は、その後にオマケのようについてきた。
「練習したい」と、口にするプロゴルファーは多い。だが、この言葉は2つの意味を持っている。純粋な「練習したい」と、不安からくる「練習しなくちゃ」が変換された「練習したい」。この違いは大きい。誰かに「やらされている」のではなく、自ら望んで、ゴルフをしているからこそだろう。
ハワイの試合前週にもかかわらず、4月の「マスターズ」にも観戦に行っていたと聞く。オーガスタのある東海岸からハワイまでは、日本から行くより距離があるほど、遠い。それでも、世界一の舞台を見に行ったのは、志の高さに他ならない。プロでも特に女子プロの中には、メジャーといえどもあまり興味を示さない者も少なくない。自分の試合で手いっぱいなのはわかるが、ここでも大きな差が生まれているのではないか。
優勝した後、畑岡の目標は2勝目、3勝目へと上方修正された。プロ入り当初、掲げた3つのうち、初優勝は達成した。2つ目が「5年以内のメジャー優勝」だが、今週は全米女子プロゴルフ選手権を始め、早いうちにタイトルに手が届く可能性も十分に感じさせている。3つ目の東京五輪での金メダルだけは、2年先にならないとかなわないが、このまま自分と戦い続けていけば、これもNASA砲の射程圏内にとらえられるに違いない。(文・小川淳子)