<NEC軽井沢72ゴルフ 事前情報◇8日◇軽井沢72ゴルフ北コース(長野県)◇6685ヤード・パー72>
猛烈な暑さが日本列島をおそうなか、今週は“避暑地”とも呼ばれる長野県・軽井沢で国内女子ツアーが行われる。とはいえ、30度を超える日もある予報で熱中症対策はまだまだ必須だが、今年はどんな伸ばしあいが見られるだろうか。青木瀬令奈のコーチ兼キャディを務める大西翔太氏が展望を占う。
■飛ばしたもん勝ち!
「雨の影響により、フェアウェイがすごく軟らかいです。ティショットはあまりランが出ないので、キャリーで飛ぶ選手が有利になってきます。ラフも長くなく、フェアウェイも決して狭くない。曲げても大きなミスにならないホールが多いので、まさに飛ばしたもん勝ちです」
開幕2日前には雷を伴う雨が降ったが、その影響もあり、フェアウェイとグリーンはともに軟らかめ。ただ、「グリーンはスピンバックするほどではなく、雨の影響がありながらも締まっています。さすが軽井沢72さんです」としっかり仕上がってもいる。ティショットで飛ばして、2打目を短いクラブでピンをデッドに狙うことができる選手が優勢だ。
標高1000メートルほどに位置するため、飛距離はキャリー8ヤードほど伸びる見込みだが、「飛ぶ人ほどそれが有利になるでしょう」とも。アイアンの距離の違いにどこまでアジャストできるかも重要になってくるが、アップダウンが少ないコースでもあるから、計算が複雑になることはなさそう。「いままでランで勝負していた選手には厳しい戦いになると思います」と“飛距離”を強調する。
■ツアー屈指の飛ばし屋たちのビッグドライブに注目
昨年の優勝スコアは16アンダーだが、今年もバーディ合戦を予想する。それを引っ張る選手として最初に名前を挙げたのは竹田麗央だ。「先週も優勝して、調子がよく見えます。そしてなにより、飛ぶ選手です」。すでに今季4勝を挙げ、ドライビングディスタンスは262.02ヤードで4位。昨年、一昨年はともに30位台に甘んじたが、今週も快進撃となるか。
次に名前を挙げたのも飛ばし屋、神谷そらだ。昨年は菅沼菜々とプレーオフの末2位に終わったが、相性は良さそうだ。「調子も上がってきていますし、感覚も良くなってきているように感じます。プロアマの9番ホールでドラコン大会がありましたが、そこで神谷選手が300ヤードを飛ばしていました。このフェアウェイの軟らかさだと、ほぼキャリーでの記録だと思うんです。『え?』ってみんなで驚いていました」。昨年の飛ばし女王は、ドライビングディスタンス262.68ヤードで3位につけている。「宮里藍 サントリーレディス」の6位タイが今季最高順位だが、ルーキーイヤーにメジャー含む2勝を挙げた若き実力者が、ここでお目覚めという展開も予想できる。
もうひとり、ドライビングディスタンス252.47ヤードで9位につける櫻井心那も優勝候補に挙げる。気持ちのいい飛ばしっぷり、そして調子の上昇傾向はもちろん、新しいギアも後押しするのではないかと予想する。「ダンロップの新しいボールが選手に配られ、青木選手も試合で使う予定です。性能がより良くなったと実感していますし、櫻井選手も気持ち新たに、新鮮な気持ちももって試合に挑めるのではないかと思います」
昨年大会のドライビングディスタンストップは竹田で平均274.167ヤード。9番では最終日に脇元華が306ヤードを記録している。果たして、どんなビッグドライブが飛び出し、どれほどのロースコアが生まれるだろうか。熱い戦いに注目だ。
解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。