それは松山がどこまでもプラス思考を抱き続けていたからだと私は思う。
15番でダブルボギーを喫したときでさえ、松山は「まだ残り3ホールある。切り替えよう」と自身に言い聞かせ、前を向き続けたという。
パー5の16番でバーディパットを沈められず、パーどまりとなったときも「17番、18番はフェアウェイに置ければ、バーディチャンスに付けられるかな」とプラス思考だった。しかし、17番はフェアウェイをとらえられず、ラフにつかまった。それでも松山は「厳しいとは思ったけど、(8メートルの)このパットを入れさえすればと思って、集中して打った」。
17番のバーディパットは、彼がポジティブな姿勢のまま、勝負に出た一打だった。「今週(パットが)入っている流れで打てたと思う」。
今週はいい感じで打てているし、よく入ってくれているのだから、このパットもきっと決められるはずだ――そう考えた松山が土壇場でも抱き続けたプラス思考が、勝負のパットをカップに沈めたのではないだろうか。
18番パー5ではセカンドショットをピン1.5メートルにつけた。ダメ押しのバーディパットを沈めて、逆転からの再逆転劇が完結。ターミネーターのような執拗(しつよう)なゴルフで、キャリアの節目となる通算10勝目を達成した。
