<キャデラック選手権 事前情報◇28日◇トランプ・ナショナル・ドラル ブルーモンスターC(フロリダ州)◇7739ヤード・パー72>
この“ブルーモンスター”で開催された2012年の世界選手権シリーズ「WGC-キャデラック選手権」を制したジャスティン・ローズ(イングランド)は、ひさびさに戻ってきたコースで感慨を覚えた。「あの頃はキャリアの素晴らしい時期。僕の物語の中でも本当に素敵な一章であり、間違いなく楽しい思い出の一つだね」。この翌年には「全米オープン」を制覇。45歳になった今でも、鮮やかに思い出すことができる。
そんなコースに、新たなクラブを携えて帰ってきた。クラブ契約フリーだったが先日、英国のレーシングチームがゴルフ業界へ参入し作った「マクラーレンゴルフ」と契約を結んだことをSNSで発表。今週の大会開幕前の会見では、それに関する質問も飛び交った。
自宅から20分ほどの距離にMTC(マクラーレン・テクノロジー・センター)があり、「F1の観点でいうと彼らはホームチーム」とも話す。初期モデルからクラブを試すなど、そのチームとのプロジェクトに携わって1年以上が経過。この衝撃発表もローズにとっては、ようやくの“お披露目”という感覚だ。「クラブの感触は最高だよ。僕が使用するアイアンには、僕自身の好みが随所に反映されている。ようやくバッグに入れて、シーズンの残りを楽しみながらプレーできる」。その仕上がり具合には、強い自信を示す。
2019年には日本の本間ゴルフと契約を結び、大きな話題に。しかし、翌年に関係は解消された。契約フリーとして過ごした近年は、「メーカーと契約していないと、とにかくいい選択肢がたくさんあるなか、あちこち試してみたくなる誘惑に駆られがち」という心境も抱いていたと明かす。
ただ、この経験が「多くのことを学び、今では自分なりの好みのリストができている」ということにもつながった。「それを実現してくれる場所を見つけたような気がする。何がよりよくなるかを模索しているところ。リスクは軽減したい」。こうしてマクラーレンと握手を交わした。
「ランド(ドライバーのランド・ノリス)やザック(マクラーレンのザック・ブラウンCEO)とよき友人になった。二人とも熱心なゴルファーで、明日の夜にもちょっとした集まりがあると思う」。今ではすっかり名門チームのメンバーのひとりだ。
懐かしいコースで全盛期に思いをはせたが、今季は1月の「ファーマーズ・インシュランス・オープン」で優勝し、2季連続での勝利を記録した。さらに、自身にとって直近の試合だった3週前の「マスターズ」も3位。2位だった昨年に続き、優勝争いに食い込んだ。“第二の全盛期”と言っていいほどの好調ぶりだが、さらにマクラーレンのクラブがターボ役になるかもしれない。
「彼らは“最高”を目指している。大手の一角になるのではなく、ハイエンドで高性能なカテゴリーで事業を展開したいと考えている。生産数は、限定的な6000~8000セットといった規模になるのではないかな。正確な数字は分からないけど、本当に素晴らしい製品を作り上げることが焦点だよ」。今週末の2日(土)には「マイアミGP」も開幕。サーキットだけでなくコースからも、マクラーレンの“エンジン音”を響かせるつもりだ。
