<ZOZOチャンピオンシップ 最終日◇27日◇アコーディア・ゴルフ 習志野カントリークラブ(千葉県)◇7079ヤード・パー70>
2019年にタイガー・ウッズ(米国)が初代チャンピオンとなった「ZOZOチャンピオンシップ」が、今年でラストイヤーを迎えた。これまで日本開催唯一のPGAツアー大会として多くのファンに親しまれており、“ZOZOロス”のファンも多いことだろう。
ただそれはファンだけでなく選手も同じようだ。ザンダー・シャウフェレ(米国)は初日、9番のパー4でダブルパーを叩くトラブルに見舞われたが、最終的にはトータル5アンダー・41位タイでフィニッシュ。「『8』を打つと乗り越えるのは難しい。それがなくても優勝できるゴルフはできなかった」と後味の悪い結果となったものの、「日本のファンの声援に助けられた。ここはいつでもプレーを楽しめる。とてもありがたいし、また戻ってきたい」。最後は名残惜しそうにサポーターと大会側に感謝の言葉を送った。
19年大会以来の出場で今大会を2位タイで終えたジャスティン・トーマス(米国)は、日本でプレーすることの意義を説く。「違うコースを回れることだけじゃなくて、ゴルフを世界のいろいろな場所で広められることは光栄」と日本開催を歓迎している。また、「日本のファンは素晴らしい。こうして彼らの前でプレーできることはいつもうれしい」と今後も来日を希望する。
リッキー・ファウラー(米国)は2位で終えた22年を思い出の大会に挙げる。「最終組で回れて、いいゴルフができた大会だった。日本のファンの前でプレーできるのは楽しい」と祖父が日系人であることもあって、特別感を抱く。今年も大会中はファウラーのトレードマークでもあるオレンジ色のウェアを着たファンが目立った。「いつも楽しみにしている大会の一つ。また日本で開催されることを願う」と来年以降の開催を熱望する。
そのほか多くの選手が日本開催を希望。米国女子ツアーはアジアで年間7試合(2024年実績)を開催しており、多くのファンを獲得している。アジア開催大会は、選手にとって違う文化に触れ、新規ファンを獲得する貴重な機会。それが人気のPGAツアーとなれば、アジアマーケットでも十分に開催の価値があると言える。
“ZOZO”は契約満了に伴い、タイトルスポンサーを離れるが、PGAツアー側は今後も別の形で日本開催を目指す意向を示している。あらたなスポンサーが出現することを願う。(文・小池文子)